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姑息なやり方の見本――厚生労働省2014年賃上げ調査 [現代日本の世相]

姑息なやり方の見本

1)厚生労働省が2014年賃上げ調査を発表

 厚生労働省が12月18日にまとめた賃金に関する調査によると、「2014年の一人平均の賃上げ額は前年より879円多い、月額5,254円だった」と発表した。「率にすると1.8%の賃上げで上昇幅、上昇率ともに比較できる1999年意向で最高になった」(日経新聞12月19日による)としている。
 この調査報告を、TV、新聞ともにそのまま報じた。

 ただ、この調査は、あくまで100人以上の企業についての賃金改定の状況である。100人未満の中小企業は含まれていない、当然のこと賃上げ額は大企業よりも低いことは容易に推定できるが、いくらかはわからない。

2)定期昇給とベースアップを合計した金額を賃上げとして発表

 
 それ以上に問題なのは、発表した月額5,254円の賃上げ額は、定期昇給とベースアップを合計した金額であることだ。厚生労働省は、定期昇給分とベースアップ分のそれぞれの額、または割合を示さないで、定期昇給とベースアップの合計額を「賃上げ額」とした。誤解が生まれるように発表し、TVも新聞もその事実を指摘もしないで誤解を生むように報道した。
 
 定期昇給は、30歳の人が31歳になる1年間で、賃金―年齢カーブにしたがって、上がる昇給である。1年経てば、賃金の高い59歳の人は60歳になり退職し、会社は18,9歳または22、23歳の賃金の低い新卒者を採用する。したがって、30歳の人が31歳になって定期昇給したとしても、会社が支出する賃金総額は、年齢構成が同じであれば、変わらないのである。そのため、賃上げ額として定期昇給分を含めて表示するなら、正確な賃上げ額がわからなくなる。全体としてみれば、勤労者全世帯の収入は定期昇給があっても必ずしも増えたことにならない。
 ただしくは、ベースアップ分を調査し示さなければならない。このようなことは常識である。

 厚生労働省は当然のことそのような常識を知ったうえで、合計金額を賃上げ額として発表した。しかも定期昇給分とベースアップ分のそれぞれの額、または割合を示さなかった。賃上げ率は実際より「高い数字」になる。報告を受け取った者が、誤解するしかないように発表した。
 明らかに意図してやっている。これこそ姑息なやり方の見本というものだ。
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