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映画「二つの判決」を観る [映画・演劇の感想]

映画「二つの判決」を観る

 今年の1月、中野ポレポレ座で、「二つの判決」を見た。
 袴田巌「名張毒ぶどう酒事件」死刑囚・奥西勝の二人の冤罪を描いている。

  
 袴田巌は、死刑囚ながら、釈放されているので、その日常を映してはいるが、長年にわたる拘禁による障害が残っている。長期にわたる拘禁による心身への傷害や妄想もある、最初の半年は、外へ出ようせず、家の中だけを歩き回っていたという。今もなお家の中を歩き回っている。獄中で、歩きまわり体の好調を維持してきた習慣を、そのまま繰り返している。
 したがって、自身で、冤罪を告発することができない。被害者の声を拾おうにも、拾うことができない。姿を映しても、冤罪の全貌を描き出すことはできない。そのため、支援する家族の姿を映すことになる。

 最近、外での生活に少し慣れ、姉・秀子と一緒なら、外出できるようになったという。ボクシングの試合を見に出かけた。ボクシング協会は袴田を支援し、協会として無実を訴えている。試合前にリング上に招待され、客に手を振る袴田の表情は晴れやかだ。
 将棋はよく覚えているらしい。映画監督と指すそうで、袴田が74戦全勝だという。将棋に勝った時の袴田のうれしそうな表情が印象に残る。普段は無表情なのだ。
 自分の好きなことには、興味を示すようになった。その意味では、ゆっくりであるが、回復しつつある。79歳(?)の年齢から回復はゆっくりに見える。

 徐々に回復を見せていることは感動的だけれども、一人では生きていけない状態であり、自立した社会生活を送ることができるできるまで回復するかどうかは疑問だ。年齢も高い。彼が失った人生の貴重な時間はもはや取り戻すことはできない。

 なんと残酷なことをしたことか。

 警察・検察がいったん捜査方針を決めたら、これを覆さない。そのような態度がつくりだした冤罪である。その責任は大きい。

 姉の秀子さんは、袴田巌が出てきた時に生活に困らないように、貯蓄し9,000万円のローンを組んで4階建てマンションを一棟購入した。3階は袴田姉弟が住んでいるが、そのほかの部屋は、貸に出しており、その家賃収入で暮らしているようである。このような家族の支えがあって、袴田巌は出てきても働かなくても生活には困らない状況がつくりだされている。そのためにどれほどの犠牲や負担があったことか。
 袴田は、無罪になっていないので、国民健康保険もなければ、年金もない。そのうえ、拘禁による症状は続いている。警察・検察の犯罪であるが、何の責任も取らない。

 「名張毒ぶどう酒事件」。
 映画は、ぶどう酒瓶の王冠を新証拠として紹介している。当時は奥西は王冠を歯で開けたそうで、歯形が残っているという。毒ぶどう酒事件は、村の公民館?での会合で起きた。公民館の囲炉裏のようなところから、ぶどう酒の王冠はいくつもは発見されている。弁護側が示した新証拠は、王冠に残った歯形は奥西の歯形と一致しない、そう指摘している。
 袴田巌の姿は映像で見ることができるが、奥西勝は獄中(八王子医療刑務所)に拘束されており、その姿を映すことができない。しかも2015年10月だったと思うが、すでに亡くなったので、映像で残すことができない。これも残酷ではないか。
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