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トランプ勝利の意味、今後の行方 [世界の動き]

トランプ勝利の意味、今後の行方

 アメリカ大統領選挙結果は、驚くべきものだった。ドナルド・トランプに対する悪質なマスコミ・キャンペーンにもかかわらず、オリガーキー(1%の支配者)の代理人、ヒラリー・クリントンは敗北した。マスコミと、既存政党支配体制は、もはやアメリカ国民の信頼を得ていないことを示した。

1)反テロ戦争継続と軍産複合体・ネオコン支配にうんざり!

 トランプは戦争をやめることができるか!

 米国民は、2003年のイラク戦争以来延々と続く「反テロ戦争」にうんざりしているのだ。イラク戦争以降約7,000名の米兵士が戦死し、負傷者はその数倍以上にのぼる。負傷した退役軍人の生活は保障されておらず、みじめなものだ。そのことを、地方に住む多くの米国民は見てきた。戦争を煽るネオコンや軍産複合体に、嫌気がさしている。そんなことより、アメリカ国民の生活をよくしろ! 中東やウクライナにかかわるな! これが多数のアメリカ国民の声だった。

 ネオコンがオバマ政権を主導し、ISなどの傭兵集団を利用し一方でテロをしかけ、他方で「反テロ戦争」を続け、軍産複合体に毎年1兆ドル(約100兆円)もの収入を保障してきた。トランプを選んだ米国民はこの戦争政策継続を拒否したのだ。

 もし2003年に、イギリスとアメリカ合州国がイラクを侵略していなければ、イラクやシリアがISに占領され、戦争で荒廃してはいなかった。大規模な難民が発生し、欧州に押し寄せることはなかった。

 米政府を牛耳るネオコンと軍産複合体は、ISなどの傭兵を利用し、リビア・カダフィ政権を転覆した。同じやり方で、シリア・アサド政権を交替させようと戦争を継続してきた。ロシアを追い詰めるため、ウクライナのネオナチに政権をとらせ、ロシアとの戦争をけしかけてきた。オバマは、ネオコンや軍産複合体に妥協するばかりだった。国防長官やNATO司令官をネオコンに替えた。中東やウクライナへの戦争介入で、ロシアとの核戦争の危機さえもたらした。アメリカ社会はこのような戦争政策を続けることができなくなっているのだ。
 
 ヒラリーは、上院議員として、イラクでの大虐殺に賛成した。2008年に、オバマに対抗して立候補した際には、イランを“完全に消し去る”と脅した。オバマ政権の国務長官として、彼女は、リビアとホンジュラス政府破壊に共謀し、中国攻撃の手筈を整えた。ヒラリーは、ロシアとの戦争挑発である、シリアでの飛行禁止空域を支持すると誓ってきた。彼女はネオコンときわめて親和的だ。ヒラリーの実績はすでに証明済みなのだ。

 他方、トランプは、「世界の警察官であり続けることはできない」と表明した。ネオコンや軍産複合体による戦争政策継続の拒否である。日本の軍事費負担を増やせと言ってきたのも、米政府の軍事費負担を減らすことに目的がある。戦争継続が、米国社会を荒廃させたこと、中流層を崩壊させ、特に地方の白人層の生活を破壊してきたと認識しており、この転換を企てている。

 トランプが、ワシントンの権力者に嫌われているのは、彼の反抗的な振る舞いや発言ではない。ネオコンや軍産複合体が実行してきた戦争戦略の変更を、平気で唱えているからだ。トランプはアメリカの21世紀計画(=戦争をしかけ、不安定にし、支配する)に対する障害なのだ。
 ワシントンの軍国主義者連中にとって、トランプの問題は、ロシアや中国との戦争を望んでいないように見えることだ。彼はプーチン・ロシア大統領と戦うのではなく、交渉をしたがっているし、中国の習近平と話し合いたいと言っている。

 トランプは、選挙資金は自前でまかなった。ヒラリー・クリントンと違ってユダヤ資本、ウォール街の金融資本や軍産複合体から資金を得ていない。コントロールできていないのである。

 トランプ新政権が、ネオコンを政権から放逐できるか、ユダヤ資本やウォール街と手を切れるか、軍産複合体を押さえつけることができるかが、今後の焦点だ。妥協してしまえば、戦争政策をやめることはできない。
 
2)日米同盟、アジアへの「リバランス戦略」の変更は、歓迎すべき!

 オバマ政権はアジアへの「リバランス戦略」を掲げ、中国との対立を煽り、東アジアを不安定状態にし、介入しようとしてきた。ASEAN諸国はすべて、中国との対立を煽る米政府の戦略に反対している。米政府の言うなりに動いたフィリピン・アキノ前政権は、ハーグ仲裁裁判所に調停を申し立てた。仲裁裁判所の裁定は、どの環礁も「岩」であるとし、中比双方の領有を認めなかった。勝利者は、結局のところ、米政府だった。米国の都合=「リバランス戦略」に沿った裁定だったのである。米国は、裁定により、計画通り南シナ海での「自由航行作戦」を実行し、介入してきたのである。

 このような対立を煽る政策は、ネオコンや軍産複合体の戦略に従ったものだとトランプは判断している。トランプが中国やロシアとの協調を呼びかけているのは、リバランス戦略の拒否である。

 リチャード・アーミテージ元国務次官補、ジョセフ・ナイ元ハーバード大学長、マイケル・グリーンら共和党系のロビイスト・政策集団は、長らく日本を操ってきた「ジャパン・ハンドラー」と呼ばれており、米政府の東アジア政策を主導してきた。彼らは共和党系ながら、ヒラリー支持を表明した。そのため、トランプの勝利は、新政権で対日政策を実行する「顔ぶれ」ががらりと変わることを意味する。

 日本政府、安倍政権は、アメリカのお先棒を担いで中国との対立を煽る役割を果たしてきた。9月のG20での対応をみれば明らかだが、すでに中国政府は安倍政権をまともに相手にしていない。トランプ新政権が戦略を変更すれば、安倍政権ははしごを外された形となり、東アジアで孤立することになる。

 トランプ新政権による、日米同盟、アジアへの「リバランス戦略」見直し、変更は、きわめて歓迎すべきことだ。そもそも米戦略にとってさえ、辺野古に米海兵隊基地は不要である。沖縄・辺野古新基地建設を阻止する上で、良い条件が生まれるかもしれない。

3)信頼を失ったマスメディア、世論操作したマスメディア

 ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストなど大手新聞、NBC、CBS、CNNなどの主要放送局はすべて、ヒラリー支持だった。各マスメディアが実施した世論調査はすべてヒラリー優勢だった。しかしそれは嘘だった。世論調査と称して世論捜査を行ったことが明らかになった。

 選挙結果はトランプの勝利であり、米支配層の思惑がまったく外れたのである。マスメディアは、詐欺集団であることが証明された。ジャーナリズムが米支配層に大がかりに買収されている実態を暴露してしまったのである。

 今回の選挙で、米国民の多くが、1%の支配層による米国支配を心底から嫌った。そしてマスメディアの報道をまったく信用しなかった。マスメディアが、米支配層の道具に転化していること米国民はすでに知っていたし、マスメディアは信頼できない存在だと宣告されたのである。マスコミと既存政党支配体制は、もはやアメリカ国民の信頼を得ていない。

 アメリカ・マスコミが完全に信用を失った姿、影響力と信憑性の消滅した姿を確認するのは、実に痛快だ。

 ちなみに、日本のメディア報道は、米大手マスメディアのそのままの繰り返した。米大手マスメディアを信用したのは、日本の大手マスメディアだけだということ。そのことは、日本のメディアも支配層の道具であるとあらためて証明したことになる。現在は騙せおおせていても、いずれ日本のメディアも信頼を失うだろう。朝日、読売、毎日の大手新聞は、すでに部数を大幅に減らしている。

4)ヒラリーは、1%の代表

 トランプは、選挙資金を自分で準備した。1%の支配を受け入れていない。ヒラリーは、オリガーキー(1%の支配層)の手先である。オリガーキーは、トランプを支配できる自信がなかったので、トランプをホワイトハウスの主にしたくなかった。マスメディアを使って、ヒラリーを大統領にしようとしたが、米国民は拒否するという予想外の結果になった。これから先、オリガーキーはトランプへ「支配の手」を伸ばしてくるだろう。

 政権準備委員会ではすでに、ネオコン、軍産複合体、ユダヤ資本の代表者を、押し込むか排除するか、の争いが始まっている。

5)TPPは、完全になくなった

 ヒラリーもTPP反対を公言していたが、彼女はユダヤ資本、ウォール街、軍産複合体の支配下にあるから、大統領になれば撤回する可能性が高かった。トランプになって、その可能性はきわめて小さくなった。これは歓迎すべきことだ。日本国民にとって、あるいはTPP参加国の人々にとっては、きわめて喜ばしいことだ。

 TPPは、金融資本、ユダヤ資本、軍産複合体に、あるいは日本の独占企業、金融資本に新たな支配と利益をもたらすが、そのことは他方で、米国民の多数をのみならず、加盟国の人々を貧困化させる。国家主権をも侵して、世界的独占企業の利益を優先させる「自由化」なのだ。トランプは、TPPは米国民の多数の貧困化させる、と正しくも認識した。そして、地方の中間層、白人層を貧困化から救うために、TPPを阻止すると主張し、支持を得た。ヒラリーでは、貧困化は止まらないと米国民の多数は判断した。

 トランプ政権は、TPPから離脱するだろう。しかし、TPPを離脱しても貧困化を解決するわけではない。他方で、新政権はユダヤ資本、ウォール街、軍産複合体、世界的大企業の利害と対峙することになる。政権内でこれら支配層であるオリガーキーの影響力を排除するのは容易ではない。政権発足までの準備がまず重要となる。

6) トランプの移民排斥発言、反イスラム発言 
ヒラリーの「人種差別反対、フェミニズム支持」の意味 

 ヒラリーは、人種差別反対で、フェミニズムを支持し、性的少数者支持を表明している。しかし、フェミニズムを語りながら、生存権を含め、無数の女性たちの権利を無視する飽くことを知らない戦争を支持している。イラクやシリア、アフガンの女性の権利などまったく考慮していない。
 オバマ政権で国務長官を務めたヒラリーは、何十億ドルもの兵器を売ってきた。欧米にとっての上客であるサウジアラビアは、余りに貧しく、最良の時期ですら子どもの半数が栄養不足だったイエメンを、現在破壊している。ヒラリーにとって、人種差別反対、フェミニズムはまさに言葉だけの表明にすぎない。
  
 問題は、トランプ政権になってどうなるか、である。米国民の多くは、トランプの乱暴な移民排斥、反イスラム発言もあるがこれに目をつむり、彼が荒廃した米社会と生活を改善することに期待した。米国内の人種間の対立、移民排斥は、激しくなるかもしれない。移民問題、人種対立に対し、トランプは「調子のいい発言」だけで、解決策を示していない。

 トランプ政権は、国内問題への対処をどのようにするか、まず問われる。ここで成果を上げなければトランプ政権の安定はない。ただ、トランプ政権が内向きになることは、迷惑を振りまかれてきたアメリカ以外の人々にとって、米国の影響力が低下するのであるから、いいことではある。

7)トランプ新政権、第一幕

 投票日前日に掲載されたトランプ政治広告の一つは、ジョージ・ソロス、連邦準備金制度理事会議長、ジャネット・イエレンや、ゴールドマン・サックスのCEOロイド・ブランクファインは、全員“労働者階級や国民の富をはぎ取り、その金を、ごく少数の大企業や、政治組織の懐に流した経済判断の責任を負うグローバル権力構造”だと述べていた。ソロスと彼の手先は、すぐさま、とんでもないことに、広告を“反ユダヤ主義”だとして攻撃した。(Wayne MADSEN  2016年11月11日)

 トランプが、アメリカの雇用を回復し、ロシア、中国、シリアやイランと、友好的で礼儀をわきまえた関係を確立するという目標に仕える閣僚を選び、任命できるかどうかはまだわからない。

 トランプの勝利に対し、オリガーキー(ネオコン、軍産複合体、金融資本、イスラエルロビー)が一体どう対応するのか、判明していないし、トランプがどう対処するのかも明確になっていない。

 ヒラリーは敗れたが、オリガーキーが敗れたわけではない。もしトランプが、融和的になり、手を貸して、ネオコンや軍産複合体、金融資本など既成支配層を政権に採用するようになれば、米国民はまたもや失望することになろう。

 政権準備委員会においてすでに戦いは始まっている。閣僚の顔ぶれで戦いの第一幕の行方はほぼ判断されるだろう。(11月15日記)
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