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ニコルのレイプ事件から5周年を迎えての声明 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

 米兵ダニエル・スミスによるフィリピン女性・ニコルのレイプ事件から、5年がたちました。

 米兵犯罪を、裁判に持ち込み有罪判決を勝ち取ったのは、世界的にみても、大変なことであり、かつまた画期的なことでありました。

 しかし、フィリピンの裁判で有罪判決が出たにも関わらず、米政府と米軍は、米比軍事相互訪問協定(VFA)の条文、地位協定によって、フィリピン司法の決定を無視し、すなわち国家主権を無視し、強引に犯人を釈放してしまいました。

 被害者ニコルさんを支援してきた女性団体「タスクフォース・スービックレイプ」から、10月31日日付で声明が出ています。
 下記に紹介します。

--------------------------
 タスクフォース・スービックレイプ記者会見での声明
 2010年10月31日


 ニコルを忘れないで!
 VFAを廃棄しよう!

 私たちは、11月1日、被害者ニコルのレイプ事件から5周年を迎えます。フィリピン女性・ニコルは米兵によってレイプされました。私たち女性中心団体、タスクフォース・スービックレイプのメンバーは、この悲痛な日を決して忘れることはできません。そんな私たちは、アキノ政府による議会共同議決 No.3に表現されるように、この問題の解決をやり遂げるよりも、単に協定見直しするだけで済まそうとしている傾向に、大変驚きまた「動揺」しています。

 ニコルのレイプ事件は、1901年にスービックに米軍基地が設立されて以来、犯人を法廷に引き渡すことに成功し、かつまた有罪判決さえ獲得した米兵による最初の事件です。しかし、ニコルのレイプ犯ダニエル・スミス上等兵の有罪判決は、ほとんど実行されませんでした。というのは彼の判決を伝えられた直後、米国政府高官がフィリピン政府高官に、スミスをフィリピン刑務所から米国大使館に移し、さらに最終的にはスミスを解放するように強く働きかけたからです。実際に、フィリピン司法の決定を破り、スミスは解放されました。

 ニコルの事件は、1990年代から「米比軍事相互訪問協定」(以下:VFA)の問題点を警告して続け、国家主権を擁護している人たちの主張が正しかったことを、多くの人々に理解させました。VFAはおもに米軍人を保護するためのものです。VFAのいくつかの条文は、愛国的なフィリピン人からあからさまな激怒を防ぐとともに、より多くの画策の余地を米国政府に与えるために、わざとあいまいにされました。

 ニコルの事件は、いまだ正義を見出し得ていない軍隊による性的暴力の他の多くの被害者、生存者について、世界に思い起こさせました。ニコルの事件で、私たちは今一度フィリピンとアメリカの関係の厳しい現実を、見せつけられました。これまで決して対等でありませんでしたし、決して相互に有益ではありません。

 したがって、私たちはVFAの改善を求めたことは一度もありません。廃棄を要求しています。フィリピン政府はVFAを何かしら改善し、飾りつけようとしています。しかしながら、フィリピン政府がどのようにVFAを飾りたてようとも、米国軍の存在は、常にフィリピン国内問題への内政干渉・介入に及ぶでありましょうし、フィリピン政府の米国への従属をもたらし、われわれの国民的利益、人々の幸福、環境保護、そしてフィリピン女性の安全と尊厳を守る上で、妥協的で無節操な道へと導くでありましょう。

 フィリピンの人々にとって、VFAのもたらす損害は、利益をはるかに上回ります。台風の時の米国軍人による支援、医療や歯科医療の任務、およびインフラ計画、それらすべては米軍による非正規戦の一部です。フィリピン軍が手に入れる助成金と装備は微々たるものです。米軍機械、米国大企業は、これらの兵士たちが行っているフィリピンの自然資源と、実際の発掘に関する情報の面で、フィリピンから多くのことを集めています。

全体的にみて、米国は継続的な経済的、軍事的覇権のための東南アジアのこの部分に位置することから恩恵を受けています。

 私たちはアキノ大統領にお願いしたい!
 米国の利益ではなくフィリピン人の利益をまもるように!
 いまこそ、VFAを廃棄せよ!
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フィリピンで米兵による性的嫌がらせ [米兵によるレイプ事件、犯罪]

 わたしたちが交流しているフィリピンの女性団体の一つである、カイサカから、下記の声明が送られてきました。

 イサベル市バラシンで、米兵によるフィリピン女性に性的嫌がらせ事件が起きたようです。
 カイサカは、米比軍相互訪問協定(VFA)によって、米軍がフィリピンに滞在していることが本質的な原因であるとして、米軍の撤退を求めています。
 新大統領に、米兵士による性的被害の頻発は、主権侵害であること、VFA 撤廃を要求すべきことを、求めています。

―――――――――
2010年7月24日の記者声明
 米軍兵士がバシランから移動しただけでは、十分ではない
 今こそフィリピンから米軍を追放しよう!

 ベニグノ・ノイノイ・アキノ新大統領の新しい指導力の下、フィリピン政府は、女性に対する軽蔑を示した軍人に対して、JSOTFによって取られる行動に満足すべきではありません。 すぐに、米比軍相互訪問協定(VFA)を無効にして、部隊を帰国させるべきです。
 事件は、7月3日イザベラ市バラシン、フィリピン海兵隊の記念祝典で起きました。乱暴な米兵が出演者からマイクロホンをつかんで、女性歌手に性的嫌がらせをし、兵舎に彼女を連れて行こうとしました、結果的には失敗し、乱暴な行動、言葉による口論にとどまりました。
 こんなことは、フィリピン国土に主権を持っているかのように振る舞う訪問者=米兵によってよく起きることです。

 愛国的フィリピン人はそのような人権侵害に対して政府に警告してきました。 私たちは主権の侵害を経験してきました。このような「悪いこと」は、軍事基地合意の撤廃以前にさえ起こりました。そして犯罪者を起訴することさえ困難だと経験してきました。 米国政府は、フィリピン政府に譲歩させ圧力をかけることに専心するのです。
 最近バシランで起きた事件は、米軍が滞在する限り、フィリピン女性が被害に及ぶであろうことを私たちに教えています。米国の軍高官は、いつもちゃんとやっている、自分たちの軍隊はちゃんと訓練していると宣言しますが、事実は彼らの主張を論駁しています。 米国の軍高官は米軍兵士による性的な暴力を隠し通します。 通常、米軍の女性兵士のレイプ被害についても隠し通します。

 「女性は男性の喜びのために存在する」という家父長的な考えは米軍組織では奨励されます。 レイプを通じ、兵士たちは人々を支配するのに女性の身体を使用します。 売春を賑して、軍の士気を上げるため、RとRのための、女性の身体を使用します。 彼らが調査した限りでも、レイプと性的虐待の事件が懲戒の50%以上であり、このことは決して驚きではありません。

 アキノ新大統領、私たちはまた新たなニコルさん(2005年米兵にレイプされ、2007年裁判に勝利するも、加害米兵は米国に逃亡)が生まれるのを待つわけにはいきません。上院にかけて米比軍相互訪問協定(VFA)を廃止すべきです。 今こそ、あなたがVFAを廃止すべき時なのです!

 記者声明
 2010年7月20日

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沖縄での米兵によるフィリピン女性レイプに抗議! [米兵によるレイプ事件、犯罪]

ロサーナ・タピルさんからの呼びかけを転載します。

 JFC国籍訴訟の原告の一人であり、滞日フィリピン人団体ミグランテ・ジャパンのメンバーであるロサーナ・タピルさんから署名協力のよびかけをいただきました。
ヘーゼルは、去る2月に沖縄で米兵のレイプ被害を受けたフィリピン人女性の仮名です。那覇地検はこの事件を不起訴にしましたが、沖縄在住のフィリピン人たちが彼女を支え、正義の実現を求め続けています。7月26日には、沖縄市でフィリピン人コミュニティーと基地・軍隊をゆるさない行動する女たちの会の協力でヘーゼルの正義を訴えるキャンドルナイトデモが行われたそうです。
 ロサーナさんからのメールの和訳を転送します。ぜひ、皆さんもご協力ください。

---ロサーナ・タピルさんからの呼びかけ--
 友人の皆さん。平和の挨拶を送ります。
 ミグランテ・ジャパン〔暫定調整組織ICB〕の「ヘーゼルに正義を!女性と移民への暴力反対!キャンペーン」の一部として、このインターネット署名を回覧します。この署名はヘーゼルおよび日本やアジア太平洋のいたるところの米軍基地に駐留する米兵がおかしたレイプ、性的暴力の犠牲者に正義を要求する支持請願署名です。
http://www.petitiononline.com/bmp12361/petition.html
 国内的にも国際的にも友人・憂慮する諸個人・グループからの最も広範な支持を集め、圧力をかけ、この恐ろしい犯罪の隠蔽を許さないことが必要になっています。
皆さんがこの支持請願署名をメンバーの方に、友人に、ネットワークに広げていただければ幸いです。
よろしくお願いします。

 ミグランテ・ジャパン(暫定調整組織)キャンペーン委員、ロサーナ・タピルさんからの呼びかけ
ヘーゼルに正義を!女性と移民への暴力反対!
世界中の平和を愛する皆さん。
2008年2月18日、22歳のフィリピン女性「ヘーゼル」(仮名)は沖縄にダンサーとして働きに来てわずか3日後に米兵によってレイプされました、それ以降180日もたった今にいたっても被疑者ロナルド・エドワード・ホプストック軍曹にたいしていかなる公的告発もなされておりません。在沖縄米軍司令官は今予備調査をおこなっており今年11月までに被疑者を告発し軍事法廷にかけるか、事件を却下するか、を決定する予定です。これに先だって那覇地方検察局は急いでヘーゼルの事件の訴えを却下しました。警察の調書や医師の報告書が被害者に加えられた性的・身体的暴力をはっきりと認めているにもかかわらず「証拠不十分」という理由で却下したのです。
 在日米軍兵士による数多くの性的暴力の長い歴史のなかで最新の犠牲者であるヘーゼルを支援し守ろうとする私たちはヘーゼルに関心をよせ、この事件の結末を憂慮しています。この事件が米兵のおこなった以前の多くのレイプ・性的暴力事件のように、被疑者がまったく処罰されずに終わるということがあってはなりません。しかし日本検察当局はこの事件の扱いを遅滞させ、断固とした態度をとらず、私たちの懸念した最悪の危惧のとおりになっています。
 私たちはまた、フィリピン政府がヘーゼルの人権を守り事件を支援する点においてほとんど努力していないことを批判します。アロヨ政権はヘーゼルを守り必要な精神的法律的物質的な支援を与えるどころか、外務省・在沖縄名誉領事・在東京フィリピン大使館は、ヘーゼルの事件を日本検察が却下して以降なんらの法的な行動もとらず、被害者の利益を守る決意も熱意ももちあわせていないことを示しました。実質的にフィリピン政府は事件の処理を米軍にゆだね、みずからの無対応とヘーゼルはじめ滞日フィリピン移民の状態へのネグレクトを隠蔽するための偽りの声明を流し続けました。
 私たちは犯行をおこなった米兵を弾劾する一方で、ヘーゼルに起きたこと、彼女が以降の人生でくぐらねばならない試練についてはフィリピン政府に主要に責任があると考えます。数百万人にものぼる他の多くのフィリピン移民と同じように、ヘーゼルもフィリピンの重大な失業問題と貧しさのゆえに危険をおかしてまで国を離れ海外で働かねばなりませんでした。合法的に日本で働くために法律的な手続きをおこない、必要な諸費用をすべて支払いました。しかし、フィリピン政府が果たすべき仕事を怠りヘーゼルが援助と保護を必要としたときに何も動かなかったために、彼女は悲しむべきことにあくどい芸能プロモーターとクラブ経営者の手にかかってしまいました。
 私たちは、これに関わってきた外務省、在東京フィリピン大使館、在沖縄名誉領事館の役職者にたいして、在日フィリピン市民への定められた任務と義務を果たさなかったという理由により直ちに辞任するよう断固要求します。ヘーゼルのようなレイプ被害者を守ることができない者に政府の役職を占める権利はありません。
 私たちはまた、米国政府、日本政府にたいして、正義を実現する立場にたち、いささかも犯行の隠蔽をしないよう断固要求します。さらに、ヘーゼルと、同様に被害者でもある彼女の家族に正義がもたらされるように事件の迅速な解決を訴えます。
 私たちはヘーゼルへ正義を、また日本および他のアジア諸国の米軍基地・施設に駐留する米兵によってなされたレイプ、性的暴力の犠牲者に正義を、という要求を支持します。被疑者が適切な公平な法廷において公式に起訴され、犯行に相応した処罰を受けることを要求します。
 私たちはこの事件を注視し監視する。いかなる隠蔽もいわんや正義の不履行も許しません。過去においてフィリピン、日本、韓国、その他いたるところで米兵によるレイプ、性的暴力が発生し犯人は処罰されないという例が多数存在しました。私たちは、この無罪放免を終わらせるために断固として容赦なく闘うことを誓います。
 私たちはまたアロヨ政権に対して、真に海外フィリピン移民を、その法的地位にかかわらずすべてのフィリピン移民を保護するプログラムを実行するようことを要求しつづけます。彼らを商品のように、あるいは破産したフィリピン経済を救うドルの税収源としてのみ扱うことをやめるよう要求し続けます。
 私たちは、自分自身のためのみならず米兵のレイプ・性的暴力の犠牲者すべてのために正義をもとめて闘うヘーゼルの勇気と信念を賞賛します。それは全世界の女性・移民の道理にかなった大義をおしすすめるものであり、フィリピンの主権とフィリピン人の尊厳を守るものです。
 私たちはヘーゼルと他の被害者にたいする真の意味での正義は、女性と移民へのあらゆる迫害と暴力にたいして闘い、相互に連帯して行動し、平和のために闘う民衆の団結した努力によってのみ勝ち取ることができると固く信じています。
 それゆえに私たちは、すべてのフィリピン人と世界中の平和を愛する人々にたいして、ヘーゼルを支持し力をあわせ、世界中の女性と移民の権利と尊厳のために立ち上がることを訴えます。

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抗 議 文 -- 米兵によるフィリピン女性へのレイプ事件 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

 沖縄での米兵によるフィリピン女性へのレイプ事件に対し、3月21日付でアメリカ大使館へ抗議文を「内容証明」で郵送しました。横須賀でのタクシー運転手殺害など米兵の犯罪が続発しています。

抗 議 文

 私たちは去る2月18日、沖縄で発生した米兵士によるフィリピン人女性へのレイプ事件に心から憤りを覚え、強く抗議するとともに被害者に対する謝罪と補償の実現及びこれ以上の犠牲者を二度と出すことの無いよう、具体的な措置を講じるよう要求する。
2月27日に来日した貴国のライス国務長官は、2月10日発生の在沖縄キャンプ・コートニー所属兵士による女子中学生レイプ事件に関しては、実際上の被害者救済措置について具体的な言及はしていないものの、形式上であれ少なくとも公に「遺憾」の意を表明している。しかし、フィリピン人女性の被害事件に関しては一切、触れられず無視をされた。
被害者は、在沖縄米陸軍パトリオット・ミサイル部隊所属の兵士により入院を余儀なくされるほどの暴力行為を受けたにも関わらず、米軍からの謝罪や犯罪者の処罰については未だ不透明のまま現在に至っている。
ところで、性暴力事件では、往々にして女性の側に落ち度があるかのような悪しき捉え方が蔓延し、それが心身ともに損傷を受けている被害者を精神的に更に追いつめるという結果を招くことが多い。私たちは、今回の事件被害者が日本人ではなく在日外国人、特に欧米圏ではなくアジアの女性であり、宿泊施設の室内でレイプされたことなどからもたらされる偏見により被害者への「バッシング」が他の事件よりも過酷なものではないかと危惧している。
フィリピン共和国においては2005年11月、スービックで沖縄駐留の貴国海兵隊員4名に車内に押し込まれた女性がレイプされ2006年12月、マニラ首都圏マカティ地方裁判所で実行犯1名が有罪判決を受けている。この被害女性も裁判期間のおよそ1年間、いわれのない誹謗中傷の嵐の中に身をおかねばならなかった。
そもそも、どのような状況であれ、裁かれ罰せられるべきは加害者であり被害者であってはならないことは明白である。事件後の女性が周囲から貶められるような環境におかれ
ることのないよう、私たちは被害者が充分納得のいく解決をするよう求める。
犯罪が繰り返されるたびに貴国から「遺憾の意」が表明されるが、事件後の米兵加害者と被害者の状況を見るにつけ、私たちはもうこれ以上、人権を踏みにじられる行為を看過出来ない。
 私たち日本国民は「陸・海・空軍その他の戦力は保持しない」という戦争を真正面から
否定する平和憲法を誇りにしている。他国の軍隊に蹂躙される「平和」や「安全」などあり得ない。真の「良き友人」とは、その痛みを分かちあえる者のことであり、表面的な謝罪を繰り返す者のことではない。


私たちは、本件に厳重に抗議し、迅速な解決に向けて次のことを要求する。
                記
1、被害者の心身の状態に配慮し、全力で真相の究明にあたること。
2、 被害女性に謝罪し、適正な補償をすること。
3、 加害者を厳重に処罰すること。
4、 不平等な日米地位協定の抜本的な改正を行うこと。
5、 米軍基地の縮小・撤去に関する現実的な方策を検討すること。
 
以上。
(受取人)
米国大統領 ジョージ・W・ブッシュ殿
同駐日大使 トーマス・J・シェーファー殿
   東京都港区赤坂1丁目10番5号
(差出人)
三多摩・フィリピン資料センター
   東京都日野市多摩平3丁目1番地―1 
   235-301
三多摩・カサナグの会
   神奈川県川崎市多摩区三田4丁目8番地―2、6-302

2008年3月21日

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米兵による横浜タクシー乗り逃げ、暴行事件 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

米兵による横浜タクシー乗り逃げ、暴行事件

 2006年9月17日午前6時25分頃、JR横浜駅東口のバスターミナル付近で事件は起きた。米兵ら男女6人がタクシー2台に分乗し、横浜駅前で降りた際に、一台目に乗っていた4人が料金約2千円を払わずに立ち去ろうとしたため、運転手・田畑さん(60歳)が一人を呼びとめ抗議したところ、同乗していた米兵が田畑さんの顔を殴った。血を流しながらもさらに抗議すると背負い投げで投げられた。田畑さんは鼻骨が陥没する全治一ヶ月の怪我を負った。近くにいた人から、「タクシー運転手が外国人に殴られた」と警察に通報があり、戸部署は犯人の米兵をつかまえた。

 問題はこの後である。警察は犯人の米兵ひとりを捕まえたにもかかわらず、田畑さんの被害届をうけつけなかった。担当の警察官は、田畑さんが料金支払いを求め呼び止めた際、犯人の身体に触ったことをもって「外国では正当防衛になるから被害に当たらない」として被害届を受け取らないと言い張った。納得のいかない田端さんは弁護士とも相談し、再度戸部署に足を運び抗議の末、やっと被害届を受理させた。
 更に、検察庁は起訴することを渋った。犯人らは米軍横須賀基地所属の米兵であるが、被害者である田畑さんに、米兵の写真を見せて犯人の犯人米兵4人はどの人物か特定せよと迫った。しかし田畑さんは写真を見ただけでは黒人米兵たちはどれも同じように見えて、共犯の二人を特定できなかった。検察は、「田畑さんの記憶だけが頼りなんだからね。田端さんが特定できないなら、起訴はできない。」と発言した。まるで被害者のせいであるかのような、まったくやる気のない態度をとった。
 被害者と弁護士、自由法曹団の度重なる抗議もあって、横浜地検は重い腰を上げやっと起訴するに至った。田畑さんを殴った米兵は容疑を否認し、また共犯の二名の米兵はいまだ特定できていない、そんな状態のまま起訴になっている。

 3月1日(木)午前10時、横浜地裁、406号法廷で第一回公判が行われる。勇気を持って告発した田畑さんを支援するためにも、頻発する米兵犯罪を許さないためにも、この事件の動向に注目する必要がある。

 日本の警察も検察も、米兵犯罪の摘発には、まったくやる気がない。それは、日米安保条約による日米両政府の関係から来ていて、何度も何度も繰り返されている。


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米兵による横須賀・佐藤好重さんに対する強盗殺人事件 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

米兵による横須賀・佐藤好重さんに対する強盗殺人事件

1)2月21日(水)の公判
 2月21日(水)横浜地裁で、「米兵による佐藤好重さんに対する強盗殺人事件」の公判が行われ、原告からの陳述と証拠説明が行われた。事件は、2006年1月3日早朝、出勤途中の佐藤好重さんが、米軍空母キティホーク乗組員、リース・ジュニア・ウイリアムス・オリバーに惨殺されたもの。リースは、遊ぶための金欲しさに、通りがかりの佐藤さんを襲い金を奪い取ろうとし、11分間にわたり殴り続け、文字通り撲殺した残虐な犯罪。米兵は刑事裁判で無期懲役が確定し、日本の刑務所に現在服役中。今回の裁判は、損害賠償訴訟の形をとり、米軍と日本政府の責任を追及し、米軍基地の存在と日米安保そのものを問うもの。
 損害賠償訴訟
 原告:山崎正則さん、佐藤嘉教さん、佐藤栄治さん
 被告:米兵、リース・ジュニア・ウイリアムス・オリバー、国

2)今回の公判での追及点
 今回の公判での弁護団による追及点は下記の通りであった。

 第一に、裁判において、裁判官もふくめ今回の犯罪の悲惨さ・残虐性をまずきちんと規定し理解させること。起訴状での暴行の記述はあまりにも簡単であり、リース被告の証言だけに基づいた記述の部分があり、11分間にわたる被害者・佐藤好重さんが死に至った暴行のひとつひとつが全面的には明らかにされていない。引き続き明らかにする。

 第二に、今回の事件は軍の公務外に発生しているが、公務外といえども米軍の責任は免れない。米兵が犯罪を起こすのは現状では、普通に起きうることなのだ。イラクで戦闘し殺害し心身ともに追い詰められている米兵は、実際に休暇時に多くの犯罪を引き起こしている。リース被告もキティホークの2ヶ月間にわたる厳しい勤務直後に起こした。
 証拠説明のなかで、1952年から2004年まで在日米軍米兵が起こした犯罪は、201,481件。殺人・強姦事件は683件。日本人死者数、公務中が517名、公務外259名にのぼっていることが指摘された。米軍全体では犯罪数は、1980年以降減少したが、1998年以降増加に転じている事実、その多くが深夜発生し、飲酒状態であることも明白になっている。この事実を米軍も認めている。
 したがって、米兵は何度も同じような犯罪を繰り返すのであり、公務外といえども米軍の責任は免れえず、有効な防止措置をとったかという米軍の管理責任が問われなければならない。

 第三に、日本政府の責任である。米兵犯罪の賠償は、日米地位協定に基づき実際には日本政府が支払う関係になっている。日本政府は金を支払えばいいのだろうという態度であり、憲法に規定されている「国民が安全な生活を送る権利」を保障しようとしていない。日本政府には基地外において責任を持って国民の安全を保障する義務があるにもかかわらず、これを果たしていないのであり、日本政府の責任は明確にされなければならない。

3)公判後の報告会
 公判後、弁護士会館で報告会が開かれ支援者60名があつまった。原告の山崎さんが、「米兵犯罪に対して、日本政府は何もしていない、拉致問題とはえらい違いだ。日本政府とは何年かかっても闘い、恨みを晴らしたい。」と発言した。
 次回公判は、5月23日(水)午前11時から、101号法廷。


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ジェーンさんに正義を! 横須賀レイプ事件・ジェーンさん裁判 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

ジェーンさんに正義を! 横須賀レイプ事件・ジェーンさん裁判

1)2月13日、東京地裁で横須賀レイプ事件の裁判
2月13日、東京地裁で横須賀レイプ事件の裁判があり、傍聴した。
事件は、2002年4月6日未明、神奈川県横須賀市内のバーで日本在住のオーストラリア人女性ジェーン(仮名)さんが米海軍キティホーク乗組員の米兵Bloke Deans(以下:ディーンズ)と出会い、その後近くの駐車場に止めていた自分のワゴン車に乗り込んだところ、米兵に押し倒され、レイプされた。
現在の裁判は、ジェーンさんが「神奈川県警から侮辱的な扱いを受けたとして、神奈川県に慰謝料など1100万円を求める」国家賠償訴訟を訴えたものであり、2月13日の公判では神奈川県警横須賀署でジェーンさんの取調べに当たった佐藤、児玉両警察官の証人尋問、反対尋問が行われた。
2002年4月6日未明、レイプ事件発生直後、ジェーンさんが米横須賀基地の憲兵隊事務所に助けを求めたところ、同事務所は横須賀署に連絡し、横須賀署員がすぐにかけつけている。ジェーンさんは憲兵隊事務所にいる時から、何度も病院へ行きたいと訴えたにもかかわらず、横須賀署の刑事は現場検分、事情聴取を優先し、被害者の声に耳を貸さなかった。
憲兵隊事務所から即被害現場にむかい、レイプ直後で動揺し不安におびえる被害者を連れまわし、実況検分に立ち合わせ、寒いなか下着をつけず毛布を羽織った状態で、被害現場を指差すよう強要し、その姿を写真に撮影している。その後、横須賀署へ戻ったあとも午前8時半ごろまで事情聴取を続け、写真を撮影している。この間、何度も病院で治療を受けたいと希望を伝え、救急車を呼んでほしいと頼んだが、その要望は拒否された。
被害者は、午前8時半から11時半まで、聖ヨセフ病院で診察を受けた。その後、また横須賀署に連れ帰され、事情聴取を行われ午後2時過ぎにやっと解放された。ジェーンさんは自分のワゴン車を運転し自宅まで帰った。この間、ジェーンさんは食事を取ることはなかったし、一睡もしていない。

2)本日の追及点—中野弁護士から
横須賀署の被害者の尊厳を認めない取り扱いが本日の追及点。
① 横須賀署は被害者の要望を把握してすぐに診察を受けさせるべきであったのに、していない。
② 被害者が拒否しているのに、写真撮影している。しかも事件現場につれまわしての撮影もしている。被害者の尊厳を持って扱っていない。
③ 13時間もの長時間にもわたって被害者を拘束したことは違法。その間食事も与えず、また一睡もさせなかった。
④ 事情聴取後、フォローが必要であったのに、それをしていない。事情聴取で被害者が酔っていることを確認しながら、またレイプのあった現場でもある被害者の車を被害者自身に運転させて返した。

 実際には被害者の要望を無視し続けたのもかかわらず、警察は病院での診察手配を行ったというように証言した。病院への連絡時間をめぐっての尋問はそのことを暴くもの。また、横須賀署刑事の陳述書では、診察が簡単であったことを示すためか8時半から9時半まで病院にいたと陳述しているが、病院のX線写真時刻、治療費支払い時刻から11時半まで病院にいた証拠が示された。にもかかわらず、陳述を訂正しなかった。その態度は、被害者の救済より警察組織の組織防衛を最優先している姿勢の現れである。

3)「犯罪被害者対策要綱」と「犯罪捜査規範」
このような事情聴取を強行して行ってしまう法的根拠は何か、被害者本人の写真を撮らなければならない根拠は何か、が追及点となるだろう。1995年の「女性差別撤廃条約」をもとにフォローアップを国連が行い、1997年「犯罪被害者対策要綱」を定めている。実際には警察関係では、「犯罪捜査規範」において被害者の尊厳、人権尊重の観点から、取り調べにおける被害者の要望やプライバシー尊重、病院との連絡など定めているのもかかわらず、この警察内部の「規範」さえも破って強引に事情聴取を強行したことが、具体的な追及点である。

性暴力事件の場合、その事件だけでなく二次被害を訴える人は多い。この件のように密室で行われているため被害者の権利侵害が行われる。隠れて行われるので女性に対する二次被害、セカンドレイプを廃絶することができない現状が続いているのだ。

4)報告会のこと
裁判のあと、弁護士会館にジェーンさんを支援する人たち20名が初めてあつまった。2002年に事件があってから、この事件のことがなかなか報道もされず、支援活動もなされてこなかった。弁護士から裁判についての説明を聞き、裁判の内容、性格、今後のことなどを話した。
米兵による犯罪は、この事件でなく多発している。それは米軍基地が日本にある限り、そしてその体制を維持しようとする日本政府の政策が変更されない限り、なかなか根絶されない問題でもある。横須賀署の対応も、その根底には日本政府のこの態度がその背景にある。


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「フィリピンのレイプ裁判を支援する会」から [米兵によるレイプ事件、犯罪]

フィリピンのスービックレイプ裁判を支援してきた「フィリピンのレイプ裁判を支援する会」から、これまで支援の呼びかけに賛同してくださった団体・個人宛のの文書が発行されていますので、転載します。
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フィリピン・スービック・レイプ事件
―米兵1名に有罪判決―

<1月8日の米兵移送に抗議する集会>

「スービック・レイプ事件裁判に関し、厳正なる判決を求める」賛同署名へのご協力やカンパ等裁判を支える様々なご支援を本当にありがとうございました。「勝利」です。    
                                  2007年1月29日
                  
 「フィリピンのレイプ裁判を支援する連絡会」
 連絡先:アジア女性資料センター ajwrc@ajwrc.org
 TEL: 03-3780-5245 / FAX: 03-3463-9752 

 2006年12月4日、マニラ首都圏のマカティ地方裁判所において「スービック・レイプ事件」の一審判決が下されました。原告に不利な条件の中で進められた裁判でしたが、その状況を打ち破り、実行犯ダニエル・スミス兵士1名が20年以上40年以下の終身刑(禁固)となりました。補償額は賠償金5万ペソ(日本円で約12万円)と慰謝料5万ペソという低額、また、他の兵士3名は無罪となる内容で、被害者のニコールさん(仮名。事件当時22歳)にとっては完全に納得のいくものではなかったものの、米軍兵士の「有罪」は画期的な判決であることに間違いありません。そして、この勝利判決を導き出した原動力は被害当事者や家族、弁護士や現地支援者の不屈の闘いと、それを支持・支援してきた国内外の仲間たちの協力によるものだと思います。

 当初、判決日は11月27日と予定されていました。そこで私たちは、ぜひともそれ以前に支援行動を起こしたいと考え「連絡会」として緊急に賛同署名とカンパを募り皆さまにお願いを致しました。署名は団体25、個人807 名が集まり11月11日、現地へ持参しました。また、カンパは活動費として数回に分け現地の支援団体へ20万円、その他現地での通訳料など有効に使用させて頂きました。現地では記者会見に参加したりニコールさん本人とも直接、会って激励をする一方、日本においても「連絡会」として在日比大使館や米大使館へ出向き声明文を提出するなどの活動を続けてきました。

 2006年12月29日、深夜、スミス兵士はフィリピンの拘置所から米大使館へ移送されました。これは、米政府側がVFA(訪問米軍地位協定)を盾に米軍が身柄を管理すると強く主張し、比合同軍事演習と国内の人道支援を中止すると表明するなど比政府に圧力をかけた結果に他なりません。尚、米側は有罪を不服として控訴をしており、私たちは、今後もこの裁判の行方を見守っていきたいと思っています。これまでのご支援に心からお礼を申し上げますとともに、今後ともご協力の程、よろしくお願い申し上げます。 


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スービックレイプ事件と今後の動向 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

米兵によるフィリピン・スービック・レイプ事件

レイプ犯の米兵、有罪判決にもかかわらず、身柄を米側に移送


<1月8日の抗議集会で>

1)2006年12月4日判決、スミス被告は有罪
 2006年12月4日、フィリピン・マカティ裁判所ポソン裁判長は、実行犯である米兵スミス被告に有罪(20年から40年の終身刑)の判決を下しました(他の3名の米兵は無罪)。判決は、「合意に基づくセックスであり、レイプではない」とした被告たち及び米軍の主張を完全に退け、スミスの行為は合理的な疑いの余地がないレイプであることを認め、終身刑に処しました。
「米兵のレイプ事件を訴えたフィリピン史上初の裁判」は、米国政府とフィリピン政府一体となった政治的圧力をはねのけて、スミス被告を有罪としました。
この裁判はフィリピンでレイプの罪で米兵を訴えた初めての裁判であり、そのこと自体大変大きな意義を持っています。これまでフィリピンで米軍兵士により性暴力事件が数多く発生していたにもかかわらず、公式に告発されることはありませんでした。人権無視、女性蔑視に対して公然と裁判で告発した被害者ニコールさんとこれを支えたタスクフォーススービックレイプ(以下:TFSR)をはじめとするフィリピンの民主団体、女性団体の先進的な闘いが、この判決を勝ち取ったのです。
この間、マスメディアなどを通じて卑劣な反ニコール・キャンペーンが行われ、被害者を社会的に押しつぶそうと米軍・フィリピン政府は圧力をかけ続けましたが、ニコールさんやTFSRに結集する人たちはこれに屈せず、断固として告発し続けました。
これらの闘いが有罪判決を勝ちとった最大の要因です。

2)事件の発生と裁判の経過
事件は、2005年11月、スービックのバーで起きました。休暇で来ていた米沖縄海兵隊隊員スミスがバーにいたニコールさんをバンに連れ出し、レイプしました。スミスによってまるで物か何かのように扱われた屈辱の告発をニコールさんは決意し、ウルスア弁護士たちとも相談し準備を経て、2006年3月にフィリピンで初めて米兵の犯罪を訴える裁判を起こしました。フィリピンの法律で米兵の犯罪を裁く当然のことを要求したわけです。
闘う姿勢を見せたニコールさんへ、米政府・米軍やフィリピン政府から圧力が加えられました。米側から金銭による裁判取り下げも非公式に持ちかけられました。新聞は毎日のように報道し、マスメディアによる興味本位の報道もなされました。インターネット上でいわれない非難や中傷が投げつけられました。それによりニコールさんの家族は職を失い、収入も失いました。そのような困難にも負けることなく、ニコールさんも家族も一致協力し、弁護士や支援者と共に、週4回にも及ぶ裁判の公判闘争を行い、中傷の一つ一つとも闘ってきました。ニコールさんへの誹謗は現在も続いています。
他方、ニコールさんを支持する声もフィリピン国内で広がりました。ニコールさんが勇気を持ってはじめた裁判闘争は、裁判の審理内容だけにとどまらず、裁判を通じて米兵によるレイプや犯罪を公式に論じる場を初めて提供し、フィリピン人の人権と主権をいかに守るべきかの認識と議論を、あらためてフィリピンの人たちに、広く巻き起こしました。この点で、裁判闘争は予期した以上の成果をあげたと言えます。
ニコールさんを支持する誰もが米軍の存在がレイプの原因であることを指摘し、「ノーレイプ、ノーベース」が主張されています。米軍の存在を許しているVFA(米軍訪問協定)の問題や、米兵の犯罪をフィリピン法で裁けないならばフィリピンの国家主権の侵害であると指摘されてもいます。また米政府・米軍の意向のまま動くアロヨ政府への批判も広がりました。
スービック・レイプ事件をどのように評価するかをめぐって、フィリピンでのアロヨ、反アロヨの一つの政治的対立点になるという構図が成立しています。

3)12月29日、控訴審を待たず、スミスの身柄を米側に移送
 12月4日の判決後、スミス被告はマカティ市の拘置所に連行されました。しかし、米側は直ちに控訴を行なうとともにVFA(米軍訪問協定)の規定:「(判決確定まで)比米両国政府の合意する施設で拘置する」を盾に身柄の引き渡しを迫り、12月22日には米海軍のファロン司令官が、身柄移送に応じない場合のフィリピン政府への制裁措置として、2007年2月の比米合同軍事演習「バリカタン07」中止、「人道支援」中止を発表し、フィリピン政府に露骨に圧力をかけてきました。アロヨ政府は、この米側の圧力に容易に屈し、司法の決定、すなわち控訴審を待たずに、政府独自の判断でスミスの移送に同意しました。
その結果、12月29日午後11時頃、スミスの米側への移送が行われました。
米政府に忠誠を誓うアロヨ政府の対応を受けて、米政府は即刻、比米合同軍事演習中止を撤回し、従来通りに実施することを表明しました。また、1月3日には高裁から「地裁判決は正しいが、司法は外交に介入できない」という見解が出され、移送容認のまま米国の圧力に屈する形で現在に至っています。

4)今後、VFA撤廃が焦点へ
外国の基地を認めないフィリピン憲法の条項をすり抜けるかのように、軍事演習のため比を訪れる米兵士や軍事物資の取り扱いに関する協定としてVFA(米軍訪問協定)が1999年5月に批准され、それ以降自由に米軍がフィリピンに出入りしています。
裁判で有罪判決となった実行犯スミスの身柄を、VFA(米軍訪問協定)を根拠にして、アロヨ政府が米側に引き渡したことに、フィリピン国内では激しい批判が寄せられています。
2007年1月4日付インクワイアラー新聞は、「凶悪犯罪で有罪判決を受けた被告がフィリピン人被告に与えられない権利・待遇を受けている点は理解し難い」、「比米関係は互いの尊敬と利害を共にする成熟した関係ではない」、「植民地時代の主従関係と同じだ」と政府の対応を批判しています。
いずれにせよ、対立の焦点は、裁判での「合意かレイプか」の争いから、VFA協定そのものの是非へと明白に移行しつつあります。裁判で有罪としたにもかかわらず、フィリピン側で身柄拘束も服役もさせられない、これでは何のための裁判かわかりません。フィリピンの主権が侵害されているのであり、侵害しているのは米政府であり、許しているのはアロヨ政府であり、その根拠はVFA協定であることが、あまりにも明白になったからです。
2007年1月15日フィリピン大学で行われたフォーラム「VFAとス-ビックレイプ事件」も、裁判闘争と有罪判決を経て、政治的焦点がVFAに移行しつつあるという認識にたって開催されています。
裁判は、米兵によるレイプや犯罪を公式に論じる場を初めて提供し、フィリピンの人たちに、広く議論を巻き起こし、大きな役割を果たしました。控訴審は続きますが、VFA協定で実行犯の身柄を移送した現段階においては、裁判は裁判のみとして完結するわけにはいかなくなりました。現在の情勢は、VFA撤廃と撤廃に向けた人々の運動に政治的焦点が移行しつつあります。

5)今後も支援連帯を!
上記の状況は、被害者ニコールさんとTFSRに結集する人たちにとって、今後も継続した告発と闘いが必要であることを意味していますし、彼女たちはすでに勇気をもって行動を始めています。さらに様々な女性団体、人権団体、民主団体が、有罪判決の支持とVFA破棄を主張しています。
米軍兵士による性暴力は日本においても何年も続いています。フィリピンでの闘いはわたしたちの闘いでもあります。
わたしたちは、判決を勝ちとったニコールさんとTFSRに結集するフィリピンの民主団体・女性団体の闘いを、現在もそして今後も見守り、支援連帯する活動を日本で継続して行います。


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タスクフォーススービックレイプによる声明 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

昨年12月4日の判決では米兵スミス被告に有罪判決が出ました。アメリカ政府は「スミス被告の身柄を引き渡せ!それまで米比軍事演習バリカタンを中止する!」と露骨に通告していました。12月29日フィリピン政府はアメリカ政府の要求に従い、スミス被告の身柄を米大使館に引き渡しました。その時点で米比軍事演習は即刻、再開されることになりました。米政府のこの露骨な脅しも最近の「アメリカ式民主主義」の一つです。また脅しに容易に屈したアロヨ政権は、その地位と利害がどこにあるか、誰の政府であるかを露呈したわけです。

もちろんこれに対しフィリピンでは、「レイプ犯を許すな!米軍訪問協定撤廃!フィリピン主権を売り渡すな!」という激しい批判が、米政府・米軍とアロヨ政権に集中していて、連日集会やデモが行われています。


<12月30日のデモ、スミス被告身柄引渡しに抗議>

12月30日、スービックレイプタスクフォースが声明を出しています。以下に紹介します。
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声明-2006年12月30日

権力による鉄面皮な傲慢である
レイプ有罪囚スミスの米国による拘束権奪取に対する、スービックレイプタスクフォースの声明

「それは、アロヨ政権と米国政府の共謀した全く恥知らずな行為です。」
これは、レイプ有罪囚スミスを秘密のうちに、マカティ市拘置所からアメリカ大使館に移送したことに対する、スービックレイプタスクフォース(以下:TFSR)のスポークスパーソン:ミルラ・バルドナドの声明です。

スービックレイプ事件被害者を支援するTFSR全団体とすべて組織は、各自が予定していた休日の予定を返上して本日正午にTMカラウ通りで、スミスの移送に抗議してデモ行進を行った。
 週末の日の、真夜中の内密の移送は、どんな抗議声明にも出会わずに、フィリピン政府と米大使館により共謀して行われた。ケニー駐比米大使の言っていた「米国政府は比国裁判所の決定を尊重する」というのは、すべて虚言であったことは明らかである。
 ポゾン判事が判決を言い渡して以後、彼らはスミスの身柄拘束件を手に入れるためにあらゆることを行った。彼らは比司法省、外務省に交渉し、彼らのVFAの解釈を押し付けた。我々に対して、台風の被害者のための支援を打ち切りと、「バリカタン」合同軍事演習の中止で脅迫したケニー大使は、失礼で恥知らずである。
 彼らが最近になって行った地裁判決と控訴審裁判所の決定に違反する行為は驚くべきことではない。世界で最強の国家としての米国の傲慢さの現れである。
私たちは集会とデモによってVFA協定の廃止を要求し米国を糾弾した。
「判決以来、司法省と外務省は米大使館と一体となって、大使館での拘留権の確保はVFAに従ったものだと語ってきた。
このことが、私たちがこの協定を終結させる理由のひとつである。VFAは明らかにフィリピン国の主権を侵害している。
マカパガル・アロヨ大統領は、フィリピンの裁判所に従う義務をまったく無視している点に責任を負わなければならない。フィリピンの裁判所の判決に違反して、スミス被告の米大使館拘留を許すことは、比上院を無視して行われている改憲議会設置策動と軌を一にする権力の横暴だ。また、米国政府の願望に反対をしないゴンザレス司法長官が、ポゾン判事の判決に対し投げつけた侮蔑のような前例を、いまだに見たことがない。
あきらかにアロヨ大統領の関心は、同盟国米国の機嫌を損ねないように、いかに自分の権力への支持を確保するかにある。


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正義が問題であって、特権的処置ではない [米兵によるレイプ事件、犯罪]

フィリピンでの米兵レイプ事件裁判に対してローランド G. シンブラン  フィリピン大学教授 兼 フィリピン大学機構理事の声明を転載します。

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正義が問題であって、特権的処置ではない

<ローランド G. シンブラン  フィリピン大学教授 >

フィリピンからアメリカ軍事基地を解体するという1991年のフィリピン上院の決定以後、フィリピンの主権のために勝ち取った最も重要な勝利は、つい最近フィリピンの法廷によって、レイプのためにアメリカの軍の軍人の有罪判決を通して成し遂げられました。
この勝利は、フィリピンとアメリカによって被告人に与えられる特権にもかかわらず成し遂げられました。

比米軍事訪問協定

被告人と彼らの守護者米国-地球上で今日最も強大な超大国によって取引の道具になることを拒否した被害者ニコルと彼女の家族に感謝します。
被害者を支援する幅広い政治的な分野、市民組織から女性の組織に対してと同時に、ニコルの民間の検察官、エバリン・ウルスア弁護士のすばらしい法律的洞察力に感謝します
ウルスアはのフィリピン大学法学部でクラス卒業生総代となり、卒業しました。今、彼女の母校、フィリピン大学の名誉となりました。
この歴史的な裁判闘争の勝利を勝ち取った手腕を讃えます。
我々は、ニコル(スービックレイプの被害者)に正義を与える際に、法の支配とフィリピンの司法制度の威厳を支持する際に、マカティ地裁のl法廷のベンジャミン・ポゾン判事の決定を賞賛します。
同様に、有罪となったアメリカ兵(ダニエルスミス陸士長)にフィリピンの管轄権を主張するというポゾン判事の決定は、フィリピン司法省(と比外務省、VFA委員会)当局の面目をつぶしました。
これらの当局(その人はアメリカ合衆国でも事実審裁判所によって確定の後でさえ、控訴の期間中に、アメリカの兵士の身柄確保を持とうとする米国政府の見解に味方するといった)恥知らずな外国の利益のスポークスマンと弁護士になりました。
フィリピンの法廷による結審後の現在、ボディガードと国外の外交官の豪華な待遇で、アメリカはまだ、裁判の期間中を通じて、ずっと五つ星のホテルに泊めてアメリカ陸士長スミスの特別な接待を拡大したいを考えています。
米国政府は現在、表面上これを理由に、年間を通して行っている軍事演習「バリカタン」とアメリカの軍事援助を中止すると脅迫します。
結構なことです。そうしてもらいましょう。
たった今フィリピンに起る最高のことは、「バリカタン」軍事演習が永久に破棄されることです。なぜならば、「バリカタン」軍事演習が「テロ対策トレーニング」の装いの下のフィリピンでのアメリカ軍事介入のための煙幕として使われるだけでした。
彼らは、フィリピンの司法制度とフィリピンの法律が、この脅かしで屈服すると思っています。
我々は、アメリカが世界的な恐怖に対して考え出した「フィリピンと米国の関係の親善」という、アメリカの軍事介入と二、三のわずかな援助のためのに、フィリピンの正義の歯車がこれと連動するという協定を結ぶことができません。
これは、妥協することができない正義の問題です。VFA協定を厳しく見つめ、その即時の廃止を目指して努力しよう。
いわゆる軍事演習に従事している間、VFAはフィリピンの領土内で、わが国の法律に違反して犯罪を犯している米軍に特別な措置と治外法権を与えるのに用いられるだけでした。
この国と、特にその最高権力をもつ政府当局はそれ自身の憲法を遵守することを学ばなければなりません。「法の下の平等を守らなくてはなりません。」 これはポゾン判事が我々全員に、我々自身の国で断言することを教えたものです。
ここにこそ、民族の自決と民族の進歩を開始することが困難なわが国の問題があります。 わが政府当局は、自身の国民の利益よりむしろ、強力な外国の利益を保護したいからです。フィリピン政府当局は、しばしば我々自身の最悪の敵なのです。
チャールズ・ボーレンは1950年代にフィリピンへ来てアメリカ大使を勤めましたが、かつて一度、フィリピンの聴衆に言いました。 「アメリカ大使館の我々は、アメリカの利益を保護するために、ここにいます。 我々は、わが政府当局があなたがたの民衆の利益を保護することを期待します。」
来たるべき年に、我々は国家主権と民主主義の自治のための闘いを継続して、より多くの民衆の勝利を祈ります。

ローランド G. シンブラン Roland G. Simbulan
フィリピン大学教授 兼 フィリピン大学機構理事
Professor and Faculty Regent
University of the Philippines System
2006年12月26日
(翻訳:平田さん)


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横須賀での米兵による佐藤好重さん殺害事件,12月20日、横浜地裁 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

横須賀での米兵による佐藤好重さん殺害事件
 12月20日、横浜地裁で 第一回口頭弁論

米兵による犯罪の根絶を!被害者に正当な補償を!

<12月20日、口頭弁論後の報告会に80名参加>

米兵リース・ジュニア・ウィリアム・オリバーによる強盗殺人事件の被害者、佐藤好重さんの夫・山崎正則さん等遺族が起こした民事裁判の、第一回口頭弁論が12月20日午後2時から横浜地裁で開かれ、101号法廷の定員である80名を越える傍聴者が参加しました。わたしも参加しましたが、少し遅れたため傍聴券をもらうことができませんでした。裁判の後、開かれた報告会で今日の口頭弁論の様子を聞きました。

原告・山崎正則さんが本人陳述をおこない、弁護団からは、「事件の残虐性」(緒方義行弁護士)、「沖縄の米軍犯罪について」(荒垣勉弁護士)、「安保条約・地位協定と米兵犯罪」(内藤功弁護士)などの陳述をそれぞれ行いました。
原告・山崎正則さんの本人陳述は感動的だったと傍聴参加した人から聞きました。報告会で「本人陳述」が配布されましたので、下記に添付します。

次回公判は2007年2月21日11時から横浜地裁101号法廷で行われます。
なお、裁判支援のため「山崎さんを支援する会」(個人は一口:千円、団体は一口:二千円)への入会を呼びかけています。
連絡先は、「米兵による女性強盗殺人事件を糾弾し、山崎さんの裁判闘争を支援する会」電話045-201-9644、郵便振替口座番号00290-4-59916 です。

<事件概要>
2006年1月3日早朝、出勤途中の佐藤好重さんが惨殺された。犯人は、横須賀を母校としている航空母艦キティホークの乗組員リース・ジュニア・ウィリアム・オリバーでした。リースは前日から酒を飲み続け、更に飲むための金欲しさに、通りかかった人を襲って金を奪おうと付近を徘徊していました。そこへ佐藤好重さんが通りかかったのです。犯人は、道を聞く振りをして彼女に近づき、いきなり殴りかかり、抵抗されると更に殴る蹴る、襟首を持ってビルの角に打ちつけ、彼女が血の泡を吹いて倒れ動けなくなるまで暴行を加えました。好重さんが動けなくなったことを確認し、バッグを奪って逃げました。好重さんは病院へ搬送される途中になくなりました。肋骨の多くは折れ、腎臓と肝蔵は破裂し、顔面頭部は陥没していました。残虐な事件です。
犯人は、刑事裁判で無期懲役の判決を受け、現在服役中ですが、この犯人個人を罰するだけでは、米兵による犯罪はなくなりません。神奈川県内では2006年だけでも16件以上の米兵の犯罪が発生し、18人が検挙され、その度に米軍当局は綱紀粛正、再発防止を表明しますが、なんら実効性のある対応をしていませんし、することができません。また補償については、特に公務外で事件を起こした場合などは、米軍や日本政府の対応も非常につめたく、補償さえされない場合が現在も続いています。
米軍基地が存在していることが事件の原因であり、この裁判は日本政府と米軍の責任を強く問うものです。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

本人陳述 山崎正則
2006年12月20目

<木村和夫弁護団団長と山崎正則さん>

私は、アメリカの空母キティホークの乗祖員に殴り殺された佐藤好重の夫の山崎正則です。
 私は、21才の時から相模鉄道のバスの乗務員として現在まで勤めています。妻は系列会社からバスなどの清掃に来ていました。
 私たちがはじめ知り合ったのは、2000年頃でした。はじめは挨拶ていどのつきあいでしたが、その内お互いの身の上のことなどを話しあうようになり、親しく付き合うようになりました。まもなく結婚をしようと思うようになって、そのために2004年4月頃から、私と妻は横須賀市内に1DKのアパートを借りて一緒に住むようになりました。
 ある日、二人で散歩をしている時に、今住んでいるマンションが売りに出ていることを知りました。妻は、このマンションを見ると、とても気に入り、「便利もいいし、花火大会もよく見えてながめもいいし、こんなところに一度でいいから住みたい。あなたの年金をマンションの支払いに当てれば、生活費は私が働いてかせぐから買おうよ。」と、もう夢中でした。妻はこれまで二度結婚に失敗し、子供が産めないなど家庭生活に恵まれていなかったし、私も結婚に失敗するなどして、あまり良い人生ではなかったので、ここを買って二人で幸せになろうと買うことを決めました。早速手続きをして、2005年の9月に入居しました。それまで私がたくわえていた1200万円を頭金にして、残り1500万円を私名義で10年のローンを組みました。しかし、権利はこれから先二人に何かあってもいいように、私と妻で半分ずつにしました。
 新しいマンションでの生活はとても幸せでした。特に妻は大喜びで毎日が楽しいと言って元気に働きまわっていました。
 ある日の夕方、いつものように、ベランダでタバコを吸っていると、妻が寄ってきて「やまちゃん。ありがとう。これまでも長い間私の生活費のめんどうまでみてくれ、その上こんなマンションも買ってくれて、私は生まれてきれまでの中で今が一番幸せよ。長生きしてね。」といって、涙を流してくれました。
 私も、一番幸せな気持ちでした。考えてみますと、私たちニ人はこれまであんまり幸せな暮らしを送ってきませんでした。恵まれない家庭生活、恵まれない人生と言ってもいいと思います。だから、これからは、二人で幸せな家庭生活を送ろうと話し合いました。そのためには、春になったら入籍し、退職したら退職金などを当てて一日でも早くローンを返し、ゆっくり日本一周をしよう、と話し合っていました。

 私たちが、望んでいたことは、他の人にとってはたいした望みではないかもしれません。
 しかし、私と、妻にとってはこれまでこつこつと真面目に働き、しっかり生きてきてやっといだいた夢なのです。それを、あの米兵は、遊ぶためのお金欲しさに、たった10数分でめちゃめちゃにしてしまいました。しかも、その10数分は妻にとっては、地獄の苦しみの時間でした。
 刑事裁判の時に、現場のビデオが音声だけでしたが流されました。妻の「助けて」「や
めて」と言う声が何度も聞こえ、それにお構いなしに犯人が妻を殴る音、ビルに打ち付ける音が聞こえました。あれが妻の最後の声でした。あの声は一生忘れられません。
 あの時、私に助けを求めていたのです。それができなかった。この悔しさ、情けなさは一生消えません。

生きている頃の妻は、他人にもやさしくよく気を使う人でした。職場の同僚にも食事をおごってやったり、行きつけの歯医者さんや美容院には、行くたびにお土産を持っていったりしていました。
 ある時こんなことがありました。
私と妻が、町を歩いていると、むこうから外国人の家族連れが来ました。だんなが二、三才位の女の子を抱いていましたが、その子は何かぐずっていました。すると妻は「どうしたの」と言ってそばにいき、さっき自分のために買ったばかりの、小さな人形をプレゼントしました。

 私は、ここで大きな間違いをしてしまいました。
 その時私は妻に、「やめろ」というべきだったのです。「横須賀では外国人には、近づいてはいけない」、「外国人を見たら、はなれろ、逃げろ」と教えるべきだったのです。私がそうしなかったばかりに、妻は犯人に道を聞かれ、警戒するどころか親切に道を教えようとして殺されてしまったのです。

 今も仕事から帰ると、ドアを開けて思わず「ただ今」と言ってしまいます。
 でも誰も答えてくれません。
 その時また、「ああ、そうだった。」と、妻のことが思い出されます。
 それから、妻の位牌の前に行き、線香を上げてその日の出来ごとを話します。
 今日も帰ったら、妻に「思い切り、お前のことを皆さんの前で話してきたよ」と言います。

 私は、妻が使っていたものは、なに一つ片づけていません。スリッパ、おはし、茶碗など一つ一つを見るたびに、悲しさと悔しさでやりきれません。
 私がどんな気持ちで日々を送っているかどうぞ察してください。

私がこの裁判を起こしたのは、お金のためだけではありません。私は、お金ではなく妻を返してくれと言いたいのです。
 私たちがこんな目にあったのは、日米両政府が政策として米軍の基地を置き、その米軍が兵隊をきちんと管理していなかったからです。基地がなかったら、米兵が居なかったら私たちは幸せに暮らせていたのです。それを壊した責任を米軍や政府にきちんと取ってもらいたいとこの裁判を起こしました。
 米軍基地が日本にある限り、私たちのような被害者が出ます。もうこれ以上私たちのような被害者が出ないように、米軍や日本政府がしっかりした手だてをつくるような判決を出して下さい。
 心からお願いいたします。


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フィリピンレイプ事件、判決が出る。被告米兵有罪。 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

ニコールさんに正義を!
フィリピン民衆の主権を侵害するな!
スミス被告はフィリピン側に収監させよ!
三名の即日沖縄帰還は不当であり抗議する!

12月4日、フィリピン・マカティ市裁判所・ポソン裁判長は、スービックレイプ事件に対して下記の判決を下しました。
------------------------------------------------------------
被告ダニエル・スミス米海兵隊員 有罪、40年の禁固刑。
賠償金5万ペソ、及び慰謝料5万ペソを被害者に支払うこと。
他の3名の米軍兵士シルクウッド、デュプランティス、カーペンティエル 無罪。
なお判決後、原告代理人のウルスア弁護士は、「有罪被告のフィリピン側へ収監すること」、「無罪の決定は最終審で行うべきもの」の2点を裁判所に申し入れしました。
--------------------------------------------------------------

<12月4日、判決前の集会>

まず第一に、判決は、被告ダニエル・スミスを有罪とする内容です。すなわち、「合意に基づくセックスであり、レイプではない」とした被告たち及び米軍主張を完全に退け、明白にレイプであると認めました。
この裁判はフィリピンでの犯罪米兵を初めて訴えた裁判であり、そのこと自体大変大きな意義を持っています。これまでフィリピンで米軍兵士によりレイプ事件が数多く発生していたにもかかわらず、ことごとくが泣き寝入りさせられ、公式に告発されることはありませんでした。人権無視、女性蔑視に対して公然と裁判で告発した被害者・ニコールさんとこれを支えたTFSRをはじめとするフィリピンの民主団体、女性団体の先進的な闘いが、裁判でレイプと認めさせたのです。
そればかりでなく、裁判の過程でマスメディアなどを通じて卑劣な反ニコール・キャンペーンが行われ、被害者を社会的に押しつぶそうと米軍・フィリピン政府が一体となって圧力をかけ続けましたが、ニコールさんやTFSRに結集する人たちがこれに屈せず、断固として告発し続けました。
これらの闘いが有罪判決を勝ちとった最大の要因です。その意義は大変大きいと考えます。

第二に、にもかかわらず、判決は3名の米軍兵士を無罪としました。また賠償金5万ペソ、及び懲罰的損害補償金5万ペソは、正当な額ではありません。そのようないくつかの問題点もあります。
3名の米軍兵士シルクウッド、デュプランティス、カーペンティエルは、判決の出たその日、法廷を出てから三時間後にはフィリピンからC-12軍用輸送機で出国し、フィリピン法の及ばない沖縄キャンプ・ハンセンへ移動しました。一審しか終わっていないにもかかわらず、三名を即日沖縄帰還させたことは不当です。

第三に、米軍はすでに控訴しました。これも不当です。
判決後法廷で、有罪被告ダニエル・スミスを米大使館かフィリピン側のいずれが収監するか争われ、この日はフィリピン・マカティ市裁判所拘置所に収監されました。フィリピン・ゴンザレス法相は、スミス被告の身柄について、「比米両国政府の話し合によって米大使館に引き渡す」などと以前から放言しており、現地ではすでにこれを批判する声が上がり、司法省への抗議デモも行われています。判決によって、すべてが解決されたわけではなく、スミス被告のフィリピン監獄への収監など、この先どのようになるか、未だ予断を許しません。
また、VFA協定とレイプ事件の原因である米軍は、現在もなお存在しており、第二、第三のニコールさんが出てくる状況は変わってはいません。

裁判をとりかこむこれらの状況は、被害者ニコールさんとTFSRに結集する人たちにとっては、今後も継続した告発と闘いが必要であることを意味していますし、彼女たちはすでに勇気をもって行動を始めています。


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横須賀レイプ事件の裁判を傍聴 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

横須賀レイプ事件の裁判傍聴

11月22日、東京地裁で横須賀レイプ事件の裁判を傍聴した。

 事件は、2002年4月6日未明、神奈川県横須賀市内のバーで日本在住のオーストラリア人女性ジェーンさん(仮名)が米海軍キティホーク乗組員の米兵と出会い、その後近くの駐車場に止めていたワゴン車に乗り込んだところ、米兵に押し倒され、レイプされたもの。その際、ジェーンさんは下半身打撲など約一週間のけがをした。

 被害女性は、被害にあった直後から、米海軍横須賀基地や神奈川県警横須賀署に被害を届け出たし、ケガをしており病院で受診していて被害が明らかであった。にもかかわらず、横浜地検横須賀支部は2002年7月に、在日米軍は2002年10月に、ともに被害女性の訴えを退け、いずれも訴追を見送った。

 この措置を不服とし、被害女性は東京地裁に損害賠償の民事訴訟を訴え、2004年11月に東京地裁はレイプの事実を認定し、慰謝料など300万円の賠償を命じた。
 1177万円の賠償を求めた女性は、賠償額が低すぎるとして控訴したが、米兵は一審の審理中に出国し、控訴しておらず、現在は所在が確認できていない。民事訴訟では、当事者の一方が控訴しなかった場合、控訴した側に不利な方向で一審判決を変更することはできず、女性の勝訴は事実上確定している。
 しかし、加害者はすでに米国へ逃亡している。在日米海軍によれば「軍法会議での訴追見送りは妥当だし、すでに現在は退役しているため、更に軍法会議にかけることはできない」と責任を放棄している。被害者は勝訴しても、賠償を得ることはできていないし、加害者の行方を突き止めることもできていない。

 このような露骨に泣き寝入りを強要する米軍と日本政府の対応に我慢ならず、被害者女性はレイプ事件の解決をもとめ、「神奈川県警から侮辱的な扱いを受けたとして、神奈川県に慰謝料など1100万円を求める」国家賠償訴訟をおこした。
 被害女性は、レイプ事件発生直後、米横須賀基地の保安事務所に助けを求め、同事務所の通報で駆けつけた横須賀署の男性警察官数人から事情聴取を受けた。
 その際、何度も病院で治療を受けたいと希望を伝え、救急車を呼んでほしいと頼んだり、事情聴取は女性警察官に担当してもらいたいと要請したのに拒否された。また、被害を受けた直後の状態で、すなわち気持ちは動揺し、かつ下着を着けていないで毛布でからだを包んだ状態で、現場検証に立ち会わされ、駐車場で被害者自身の写真も撮られた。このような神奈川県警による事情聴取、現場検証での侮辱的な扱いは、被害者にとっては耐え難いものであり、セカンドレイプそのものである。
 その公判が、11月22日午前10時から午後3時半まで、東京地裁で行われ、傍聴に参加した。

 11月22日の公判では、被害直後の神奈川県警から侮辱的な扱いをめぐって、被害女性への尋問、反対尋問が長時間にわたって行われた。法廷は被害者のプライバシー保護のため、法廷と傍聴席の間には衝立が立てられ、傍聴者には裁判官、弁護士、被告神奈川県の代理人などの姿も見えず、ただ尋問を声で聞く形だった。

 この裁判は引き続き行われる。次回公判は、2007年初めになる見込み。

※横須賀レイプ事件をわたしたちが知ったのは、オーストラリア人女性ジェーンさんが、10月10日に行ったフィリピン女性レイプ事件ニコルさん支援連絡会議にジェーンさんが参加し、実情を訴えたからだ。


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九五年沖縄少女暴行事件の元米海兵隊員 女性殺害後 自殺 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

九五年沖縄少女暴行事件の元米海兵隊員
  女性殺害後 自殺

九五年沖縄少女暴行事件の元米海兵隊員ケンドリック・リディット元受刑者(31)が、米国で知り合いの女子大生を殺害後、自殺したと、報じられている。
日本で五年間服役し、米国に帰っていたことを、この記事で初めて知った。

沖縄タイムズ二〇〇六年八月二五日記事、AP通信記事からの抜粋を下記に転載します。
ケンドリック・リディット元受刑者

ケンドリック・リディット元受刑者の写真も、沖縄タイムズ記事から転載。
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米ジョージア州のアパートで二〇日夜、住人の女子大生(22)が志望しているのを両親が発見、近くで男が自殺していた。地元警察が男の身元を確認したところ、1995年に沖縄県で起きた米兵による暴行事件で実刑判決を(確定)を受けた元米海兵隊員と判明した。AP通信などが二四日までに伝えた。
 米メディアによると、元隊員は、ケンドリック・リディット元受刑者(31)。地元警察は、元受刑者の知り合いだった女子大生に暴行した上で絞殺、その後刃物で自分の腕を切りつけ、失血死したとみて調べている。
 リディット元受刑者は、九五年九月、暴行事件で起訴された三人のうちの一人、レディット受刑者は九五年九月四日夜、沖縄県北部で海兵隊仲間二人と共謀し、買い物帰りの女児を車に押し込み、海岸近くで暴行したなどとして起訴された。九六年に懲役六年六月の実刑判決を受け確定した。県民の米軍基地縮小・撤去要求が高まる契機になった。
 元受刑者は日本で五年間服役し、米国に帰国したという。


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2006年7月18日の公判の様子 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

日本から裁判傍聴に参加されたアジア女性センター丹羽さんから、当日の公判の様子のレポートが届きましたので、転載します。
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2006年7月18日の公判の様子

私たちは午後1時から5時近くまで続いた公判の前と後に、KAISAKA(今回の裁判の女性支援組織16団体のひとつ、長橋さんが所属するカサナグの会とは長いお付き合い)のメンバーに、今回の裁判に関する具体的な話を聞きました。主に話してくれたのはバージニア・スアレス・ピンラック(Virginia Suarez-Pinlac)女性弁護士。彼女はLavor Advocates for Wokers’ Services で働いており、今回の裁判の弁護団の一員でもあります。彼女からお聞きした話と、実際に裁判に傍聴に言って理解したこと、感じたことなどをまとめます。
内容に間違いがあればそれは丹羽の理解の問題で、他の方には責任はないことを付け加えます。
7月5日、米大使館への抗議行動

これまで20人(本人ニコルさん、加害者スミスを含む)の証言で明らかになってきた事実関係

二コルさんは家族と、カンテン(街の食堂?)を経営していた。事件がおきたのは2005年11月1日のこと。オロンガポへ休暇で来ていた(91年の基地撤去後、98年に結ばれた比米地位協定による)米海兵隊(沖縄所属)兵士の一人と義姉アナリサ・フランコさんが友人で、彼女たちとともにニコルさんはバー・ネプチューンで時間を過ごした。
スミスが踊ろうと二コルさんを誘い、二人は席を立った。その際、ニコルさんは、スミスが外に連れ出そうとしたので義姉の友人米兵に目で訴え、ダンスのみに応じた。彼が了解の様子を見せたので席を立った。
その後の彼女の姿は、バーのガードマンが見ている。ニコルさんはひどく酔っており、スミスの背におぶさっていて、外に連れ出されていた。彼女が自分で歩ける状態ではないほどだった(つまり何らかの合意を示すことができるような状態ではなかった)とガードマンは証人としての証言でのべている。
別の証人となったガードマンは、はっきりとスミスを指して、彼がニコルさんをバンに乗せたと、実演入りで説明した。スミスは、彼に聞かれて、二コルさんは自分の連れだと言ったとも証言した。
次の証人は、基地労働者の男性。夜11時半ごろ、彼はバンから男性がまるでごみを捨てるかのように女性を扱い、彼女が下ろされ道路に倒れるのをみた。その労働者の男性が彼女を伴って警察へ届け出た。車には6人の男が乗っていたという。スミスはビールを片手に持っていた。
またラジオで翌日スービック基地のレイプ事件を耳にした警備責任者が、何か証拠物件は残っていないかと、周辺を探しにいき、下着と張り付いたコンドームを発見して届け出た。

スミス側は合意を主張。ニコルさんの記憶があいまいで信頼できないと主張している。
彼の上司が行け行けとはやして、スミスの行動を了解した。他に車内にいたうちの2人は同じ行動を取っていた。

最初にニコルさんに接した女性警察官は、彼女がぼろぼろの状態で、とてもセックスを楽しんだ女性とは見えなかったと証言している。また彼女の被害証言を記録している。

バンの運転手は、最初の聴取で、ギャングレイプであると証言していたが、1週間後に証言内容を変えて調書を取り下げた。よって証言は求めていない。
アナリサさんは、スービックベイの捜査員の一人から、事件の揉み消しを持ちかけられたことを証言している。

ニコルさんを診察した医師は、ニコルさんの体のあちこちの傷が、レイプ被害に特有のものであることを証言している。
前回証言した法医学者のラケル医師は、過去、日本にも行っているという経験豊富な誰もが認める第一人者の女性医師で、彼女は、ニコルさんの傷はレイプ被害の傷の特徴を持っていること、および、証拠(下着とコンドーム)の価値判断についてきっちり証言している。ただ、彼女は民間で活動している医師であり、政府関係者ではないため、裁判官に証言価値をきちんと理解させるために、再度、国家警察に関係する今回の証人・法医学者(男性)を申請した。内容的には、前回と相当程度重なる。

また米国犯罪捜査官3人の証人申請もしたがそのうち一人は外交特権で出廷を拒否した。後の2名は証言し、二人の間で性行為が行われた事実を認めた。ただし、彼らは合意であったというスミスの証言を補強している。
しかし同時に、これまで扱っているフィリピンにおける米軍関係の事件のうち、半分はレイプケースであることも証言している。

6月2日から開始された裁判で、すでに20人の証人が採用されて証言をしている。検察側は当初40人の証人を申請したが、最終的には30人に絞り、少なくとも後2人を予定している。その一人はアルコールの体内残量を調べる専門家であり、ニコルさんが警察で調べを受けていたときから逆算して、事件のころ、合意をしたり判断をしたりすることができる状態ではなかったことを示す予定。もう一人はニコルさんの記憶のあいまいさや、記憶が飛ぶことなどこそがレイプ被害者特有の状態であるということを証言する予定の女性精神科医である。

裁判は開始後、月・火・木・金と週4回のペースで進んできている。なぜこのようなマラソントライアルになったかというと、それは結論を出すまで1年しかないという地位協定に縛られているためである。

同乗していた男たちは6人だが、そのうち4人を起訴。実行犯のスミスとはやし立てて彼の行動をあおった男たち。

公判が開始される前に、ゴンザレス司法長官が、3人は従犯に過ぎないと、担当者たちの意向を無視して勝手に発言した。しかし裁判官はそれを取り入れなかった。検察主張どおり、4人を共同正犯として裁判を開始している。

相手側が印象つけようとしていることは、バー・ネプチューンはいかがわしい場所であり、それを承知で彼女は来ていた。そのようなふしだらな女であるとうこと。
ニコルさんはスミスの行為の最中、「“もっともっと”と積極的に要求し、楽しんでいた、下着はまったく破れてもいないし、暴行の後はみられない。」、「コンドームを試用していたことは何よりも合意があったこと、通常の性行為であったことを示している。」、「彼女はバージンではない。現に事件のまえ30日以内にもセックスをしている。」等などという、あまりにも古びた、従来も散々されつくした被害者を被害者として認めない、女性の側に責任を押し付ける主張を展開している。

裁判官は通常一人である。今回の事件は特殊であり注目もあるため、裁判所ではなく市役所庁舎特別会議室で行われている。

今回の公判の直前、容疑者のスミス上等兵が、弁護士を通じてAPの取材に応じたとのこと。書面による質問にFAXで答えたもの。「ここで私の人生の取り返しのつかない一年が奪わ
れた。もう嘘は出ないこと、人々が事実を知るようになることを願っている」。(06/7/16)

直ちにニコルさん側はすぐに抗議声明を出した。

当日市役所についたのは、公判予定時間の約50分前。法廷の開かれるフロアに着き、うろうろしていると、後ろから突然硬いものが私の背中を押すので振り返ってびっくり。銃を手にした米兵と思われる男が、4人の被告を従えて来ていた。目の前1m足らずのところを、スミスを含む4人が歩いていくのを、唖然としてみているばかり。後で写真をとることができたかもと、残念。

その後、バロットさんたちと一緒に、法廷に入る。
正面に裁判官、向かって左側に証人席。
その前に記録者席。中年の女性担当者は、機会の紙送りが不調なためか、たびたびストップを掛け、皆が見守るという感じ。なんと4時間の法廷を一人でずっと担当していた。もう一人男性担当者がテープレコーダーを回していたようだ。

裁判官席に向き合うように、長い机がセットされ、左手側に検察、右手側に被告人弁護団がずらりと座る。検察側は5人がすべて女性、弁護側は男性ばかりというのが一目で分かる構図だ。

そこから柵があり、委員会の傍聴席という風にフロアが区切られている。横長の椅子で一列12人くらい座れるものが8列ほど?席は9割がた埋まる状態だった。
最前列には、右側に被告人4人が平然と座っている。その前を通って回り、私たちは2列目に座った。私たちの前にいる親子を紹介された。母親と、ニコルさんのシスターといわれたが、裁判の過程で、裁判官の求めに応じて、証人が彼女をニコルさんだと指し示したので、びっくり。

裁判当初支援者たちは、被害者をどのように守るかで、彼女によく似た何人かの女性たちが固まって行動し、被害者を特定させたり、マスコミの写真撮影をさせないように努力をしたそうだが、本人証言もすんでおり、かまわないということだろうか。彼女は毎回母親とともに出廷しているとのこと。彼女は前回かその前か、公判開始前に、スミスを持っていたバッグで、バシンとぶったたいたということだが、今回の彼女の様子は、相当につらそうで、何とかできないものかと胸が痛む。

すぐ横の席には、法廷を描く若い男性や女性が5人ほど座っていた。さらさらと描き出し、水彩で色をつけていく。15分くらいで、様子を書きとめる彼らに、一枚コピーさせてくれないかと頼んだけれどまあ無理な話だった。彼らの一人が、私たちのすぐ前に座る母と娘をスケッチしているのを見て、もしかして彼女が、と思ったけれど、案の定だった。
被告人4人は、たびたびの女性たちの抗議が効いたのか、あまりおしゃべりはせず、ニヤニヤも少なく、姿勢よく座っていた。ガムをかみ続けている男もいたが。

今回は前半の1時間が、証人を採用するか否かに費やされた。つまり前回証人と内容的には重なることがおおく、改めて彼に証言させる必要があるかどうかという点だった。彼の資格や、経験、訓練期間、専門分野などをめぐってやり取りが続いたが、最終的に裁判官が採用を決めて休憩に入った。

後半はスクリーンとパソコンが持ち込まれ、証拠品の下着とコンドームが大きく映し出されるのをみながらの証言となった。パンティ、コンドーム、精液などの言葉のオンパレードで、当事者にとってのこの時間は拷問にも等しいものだったと思う。

最終的には、弁護側が、証人に対して反論したり、反対尋問をするのに必要な専門家の出廷が今回はできていないということで、反対尋問は次回、両方の専門家の都合をあわせて日程を設定するということで、閉廷となった。1時間も採用の可否で費やしたのは、弁護側がこの専門家証言を採用させないことで、前回の女性専門家の内容を、「民間の活動家に過ぎない」として効果を引きさげさせようとする予定だったことがよくわかった。

日本の裁判手続きでは、まず当事者の出廷はほとんどなく進む。書面でのやり取りも多く進み、実際の法廷ではその補完的な部分を中心に絞ったやり取りが行われるのが通常だ。また被害者本人に対する双方の尋問は、時間もあらかじめ限定され、ついたてが準備されたり、ビデオリンクを通じて別室で行われたり、それなりに被害者の人権に配慮したシステムが作られてきている(長い間の当事者支援の声が少しずつ形になってきたものだけれど)が、それに対してこの法廷の様相は、きついものだと思った。

また週4回の法廷というのは、関係者が仕事もやめ、ずっとそれに向き合わされ続けるということで、被害の側にとっての厳しさは想像を超える。1年間で結論を出すというこの取り決めの過酷さを改めて実感した。
証人採用の可否についてもすべてこの場でというのが優れているのかどうか、日本の法廷手続きとの異なり方について、気になるところだ。

支援グループのバロットさんたちが私たちを、盛んに日本からこの法廷を見るために来た、と紹介してくれたため、何人かの記者にインタビューを受ける羽目になってしまった。海外からも注目を集めているほど重大なことと意識してもらえるのはうれしいので、質問に答えることになったが、インクワイアラーの一面掲載には戸惑った。

裁判終了近く、一人の女性が傍聴席に座った。ラモスの妹?シャハニさんとのこと。この裁判の行く末や、比米協定の改善なども大いに提起されるべき問題だと痛感した。

基地撤去後、問題がどう変化してきているのか、ということも主要なテーマに、日本軍による元フィリピン「慰安婦」支援グループのネリア・サンチョさんたちが呼びかけた国際会議が8月にもたれるとのことだが、日本からの参加はどうなのか、確認してみたい。また沖縄などでどれくらい同様の被害があるのか、調査は同化なども聞かれたことで宿題になっている。沖縄強姦救援センターREIKOや「結」などが調査をされていたので、問い合わせなくてはならない。

今後の見通しについても弁護士に聞いてみた。検察側が自信を持って立証できると考えているのは、首班スミスの有罪。他の3人についてはまだなんともいえないが、スミスが、自分の上司に当たるカーペンテール上官に了解をとったといっていることから何とかできるのではないかと期待しているとのことだった。

いろいろ宿題も多いですが、本当に得がたい経験でした。こんな機会を得られたのは、皆さんが作ってこられた関係性の賜物だと思います。心から感謝します。


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2人の日本人は法廷に「ニコル」さんを見つけ、驚いた [米兵によるレイプ事件、犯罪]

7月20日インクワイアラー紙の記事です。裁判を傍聴した丹羽さん、長橋さんへのインタビュー記事です。翻訳は長橋さん。
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2人の日本人は法廷に「ニコル」さんを見つけ、驚いた

----写真は、ニコルさん支援のため、4名のレイプ犯米兵の写真を掲げて抗議行動に参加するリラ・ピリピーナのロラ(元「慰安婦」)たち----

マニラへ休暇旅行に来ていて、7月18日(火)マカティ地裁でのスービックレイプ裁判を傍聴した二人の日本人女性にとっては、短期旅行のなかでは歓迎すべき「寄り道」になりました。結局のところ、彼女たちは日本における「ニコル」のような女性を助けるために働いている人たちでした。

丹羽雅代さんと長橋美保さんは、通訳の助けを借り、4人の米海兵隊員を強姦で訴えているフィリピン女性に対する支援のいわば舞台である、マカティ地方裁判所の法廷での4時間にも及ぶ裁判審理を傍聴しました。

裁判傍聴後のインタビューで丹羽さんは、ニコルさん自身が裁判審理を見守る状態に居させられ、同時にニコルさん自身も入れ替わり立ち代り傍聴人の目にさらされていた法廷のやり方(被害者原告に対する取り扱い方)に「驚き」を表明しました。
「日本では、裁判所でのデリケートな議論の間、被害者を公衆の眼に晒されることから守る傾向にあります。実際には、法廷での被害者の尋問は極力少なくして、文書で行います」、「その人はすでに強姦されているのですから、再び犠牲者を傷つけたくはありません。レイプについてのデリケートな議論が彼女の前で行われれば、彼女は同じ苦痛を経験するでしょう」と、丹羽さんは通訳を通して言いました 。
「裁判のそのような場面では、原告は通常傍聴人から保護され、他の部屋へ移されています」と彼女はつけ加えました。
長橋さんは、裁判を傍聴しもうひとつのことに気がつきました。被告の4人の米海兵隊員は、「何一つ反省している様子もなく、まったく当たり前のような態度でした。」

「ニコル」事件は他人事ではない
彼女たちの国に駐留している米軍兵士に対して、性暴力事件での正義を求める叫びを上げる日本女性たちの話は、二人の日本人女性にとって他人事ではありません。
丹羽さんは、東京に拠点を置く日本のアジア女性資料センターの責任者で第二次世界大戦の日本軍「慰安婦」の生活支援のために働いていて、また日本に駐留する米兵の暴力と性犯罪の被害者の支援のために働いています。
長橋さんは、日本での活動家団体のなかでの丹羽さんの同僚であり、東京で活動する労働団体である三多摩カサナグの会の事務局員でもあります。

「声」を聞きとろう
2人の訪問者は、女性権利擁護団体カイサカ(Kaisa Ka:進歩的女性連盟)事務局長で、タスクフォーススービックレイプ(TFSR)のメンバーでもあるロットロット・レキゾさんの招きで街に来ました。
2人の女性は、ニコルさんの事件と同じような事件についての「声」に耳を傾け続けるように、フィリピンの人々を促しました。
「政府はこのような事件を、すっかり隠してしまうのです。」と彼女たちは言いました。彼女たちは日本人がニコルさんの事件をほとんど知らないのを嘆きました。
2人の女性は、7月18日(火)の法廷審理の始めと終わりに、ニコルさんと彼女の家族と握手しました。
澤田公伸さん(このレポートのための通訳として勤めた日本の通信社マニラ新聞のための通信員)によると、2人の女性は実はマニラの個人的な旅行に来ていて、ちょうど歴史的なこの裁判に出席するために、立ち寄ったとのことです。


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被害者ニコルさんの証言の続き [米兵によるレイプ事件、犯罪]

7月13日ニコルさんの証言の続き、インクワイアラー紙抜粋、翻訳は鈴木さん。

裁判証言でレイプ被害者本人が法廷で被害の様子の詳細を証言し、レイプ犯の弁護士が反対尋問する。これらが公開の法廷で行われ、証言の内容は新聞で伝えられる。このフィリピンの裁判慣習に驚く。
被害者の人権、人格が裁判の過程で乱暴に扱われている。記事にはニコルさんとその家族が受けている扱いも紹介している。
被害者はここまでしなければ容疑者を告発できないのか。こんな情況なら被害を訴え告発する人は、ほとんどいないだろう。よほどの覚悟がなければならない告発できない。
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被害者ニコルさんの証言の続き

7月5日米大使館への抗議行動

ウルスア弁護士による主尋問も三日目。最終段階にあたるこの日の目的は、民事訴訟の賠償責任を確立すること。弁護士によれば、それによって刑事訴訟で「有罪判決が出るかもしれない」(・・・to establish the civil liability of the accused -- an aspect that, according to the lawyer, was “contingent to conviction” in a criminal case)。彼女や家族がこうむった損害の大きさを示しておくことで、有罪判決が出た場合に裁判所が決める補償額の、参考になるとウルスア弁護士。

「今はもう、むかしの愉快な私はいません。かつての私はアナ(リサ。継姉)といれば、冗談ばかり言っていました。今では彼女といても、そういうことはしません」とニコルさん。証言はフィリピノ語。

「彼らは私の尊厳を奪いました…スミスが私をレイプしてるのに、彼の仲間はそれを煽ったんです。まるで非公開フィルムでも見るみたいに楽しんでいたんです。そのあと、まるで豚みたいに私をつかんで(車から)降ろしました」。証言するニコルさんの声は大きいが震えていた。

夜は悪夢と不眠にさいなまれ、昼は鬱状態のニコルは何もする気にならない。「自分にかまうこともなくなりました。食べてばかりで運動しない。いつも、のろのろして。働きたいけど怖くて…私がレイプの被害者だってわかったら、みんな何て言うのかなって、いつも考えるんです」と涙をぬぐう。

事件以来、自宅のあるサンボアンガ市には戻らずマニラ市内にいる。南方司令部の敷地にある一家の酒保で、ニコルさんはビデオ・ショップをしながら月々4万ペソほど稼いでいたのに、今はもうそれもできない。その酒保が一家の主な収入源なのだ。家族の人生は崩壊したとニコルは言う。いつも裁判を傍聴してくれる母は、フィリピン海軍の民間人職員という仕事を失い、ダバオDavaoにあったわずかばかりの土地を売り払うしかなかった。二人の兄は仕事を抜けて彼女に付き添っている。サンボアンガに残した兄弟たちが彼女のかわりに酒保をみているが、学校をやめたり授業を休んだりしている。

ニコルさんのほかに、母、二人の兄、妹、(継)姉フランコが、フィリピン総合病院の精神病医学者ロペスのカウンセリングを受けている。これらすべてのことと家族の現状が、ニコルさんに罪悪感をもたらすのだが、それに何もしてやれないと嘆く。

10分間の休憩中、犯罪撲滅運動家テレシタ・アンシーTeresita Ang-Seeが容疑者に近づいていった。「ちょっと、その男に笑うのを止めろって言ってくれない?」と彼らに声をかけた。「すごい侮辱じゃない。彼女(ニコル)があそこで泣いてるっていうのに、あんたたちは笑ってるわけ?」

容疑者シルクウッド、デュプランティス、スミスは一列目の左端に一緒に座っていた。その中の誰を指して言っているのかわからない。記者や米大使館職員らは激昂するアンシーに驚き、大使館職員は無言で容疑者を取り囲む。裁判所の職員がそっと近づき、彼女をなだめていた。

病理学専門家フォーチュンFortun医師の反対尋問では、証人と被告側弁護士ロドリゴが意見の一致をみた点もある。
・性交後に、さまざまな理由により、レイプされたと嘘をつく女性がいる。
(例:妊娠や性病への恐怖、「愛されたくて(the need for nurturance)」、純粋な怒り)
・嘘の届出をする場合、24時間以内にするのが典型的。ニコルの場合がそれ。
・合意のうえでも「激しい」「荒々しい」性行為で女性器に損傷をきたすことはある。
・性器の損傷のみにもとづき合意の存在を判定できるような、調査研究や科学的情報はまだ無い。

フォーチュン医師は二組の女性グループ ―― 一方が性暴力の被害者たち(cases)で、もう一方は合意のうえで性交した女性たち(controls)―― を比較する「case controlled studies」を行うのは難しいだろうと言った。ジャスティニアーノ弁護士の厳しい反対尋問にあったフォーチュン医師は、性交を望む女性が必ずしも膣潤滑液の分泌など身体的反応を示すとは限らないことを認めた。また、その場合に、狭い場所で無理な姿勢をとらざるをえない女性の性器に損傷が生じる可能性も認めた。(ジャスティニアーノ弁護士は質問の前に、ニコルさんが走行中の車内でレイプされたと主張していることを指摘)

しかしウルスア弁護士は再尋問で、被告側ロドリゴ弁護士がフォーチュン医師から引き出した一致点を相殺してしまう。ウルスア弁護士は被告側の指摘には統計的裏づけがあるのかと尋ねた。ロドリゴ弁護士が引用した文献には、そのような統計が載っていないことが明らかだとフォーチュン医師は答えている。


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被害者が法廷でレイプ犯へ直接抗議 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

インクワイアラー紙インターネット版記事抜粋を転載します。
翻訳は鈴木さんです。
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米海兵隊員への『ニコル』の攻撃は、世界のメディア注目を集めた。

2006年7月11日Byヴェロニカ インクワイアラー紙インターネット版記事抜粋

インクワイアラー紙インターネット版による記事によれば、ニコルさん(裁判、法廷での偽名)が、強姦で訴えた米国の軍人を(裁判所の法廷で)ハンドバッグで殴りかかった記事が、世界中でいくつもの新聞によって取り上げられ、報道されました。
アメリカ合衆国の少なくとも50の全国、地方の日刊紙とラジオ・テレビ放送が「ニコル」さんの記事を報道しました。スービック経済区(元米海軍基地)で2005年11月1日に車の中起きたこの事件で、7月10日(月)に彼女が証言に立つその直前に法廷で、彼女のハンドバッグでダニエル・スミス陸士長(レイプ容疑者4人の海兵隊員のうちの1人)を殴りつけました。

「ニコル」さんのこの行動はワシントンポストの上で発表されて、ABC Newsによるテレビで、そして、ボイスオブアメリカによるラジオで報道されました。

さらに、ボストングローブ、海兵隊タイムズ、アイオワのベントンクリエー、ミズーリのカンザスシティースター、ペンシルバニアのセンターデイリータイムズ、ワイオミングのジャクソンニューストリビューン、ユタのキンドゥレッドタイムズ、サウスカロライナのマートルビーチ日曜ニュース、フロリダのレッジャー、ノースダコタのグランドフォークスヘラルド、ミネソタのダルースニューストリビューン、ニューヨークのナイアガラガゼットとカリフォルニアのサンルイスオビポトリビューンによっても報道されました。

米国以外ではイギリスのガーディアンユナイテッド紙とスコッツマン紙(スコットランド)、そして、スイスのらスイスインフォ紙が記事を掲載しました。

アラブ首長国連邦のカレーイタイムズ紙、北朝鮮タイムズ、マレーシアのサン紙も記事を発表しました。

北朝鮮タイムズのウェブサイトは、伝えられるところではニコルさんの記事のそばにアメリカの兵士によって輪姦されるイラクの14才の女の子の記事を送りさえしました。

7月10日(月)に再開した証言では、「ニコル」さんは、スミス陸士長の同僚であるキースシルクウッドとドミニクデュプランティスとチャドカルペンティエル軍曹が喝采するなか、スミス陸士長がどのように彼女を強姦したかについて思い出し語りました。

彼女はかつて自制心を失いましたが、10分のブレークの後、彼女の落ち着きを回復しました。

「ニコル」さんは、6月2日に始まった裁判の20人目の検察側証人です。

彼女は今週の火曜日に彼女の直接の証言を終えることになっています。法医学Forensicsの専門家ラクエルフォーチュンが証人として証言する予定です。

エバリン・ウルスア(Evalyn Ursua)弁護士は、自分が担当する原告「ニコル」さんが7月13日(木)に、または14日(金)に反対尋問に立つと語りました。

容疑者は駐留軍協定(Visiting Forces Agreement)の下で、はサンボアンガ行政区で(米比)合同軍事演習にフィリピン軍隊とともに参加したあと、レクリエーションのためのスービックにいた第3海兵遠征軍の所属です。(沖縄駐留)
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※ 土井さんからの指摘いただき、“Visiting Forces Agreement" は「駐留軍協定」とします。

世界のメディアが報道しています。法廷でニコルさんがハンドバックでレイプ犯に殴りかかったことで注目を集めた内容になっています。世界のメディアが報道したのは良いことでしょうが、扱い方に疑問を感じます。


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レイプ被害者、法廷で三回目の証言 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

スービックレイプ裁判で被害者ニコルさんの証言が送られてきましたので転載します。
翻訳していただいたのは鈴木さんです。
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‘I wish I just died’ -- ‘Nicole’
First posted 06:46pm (Mla time) July 13, 2006
死んでしまいたかった ―― 4人の米兵をレイプの罪で訴えているフィリピン女性ニコルさんは、7月13日(木)の裁判で、仲間に煽られた海兵隊員に襲われて、彼女が「死にたい」と思っていたことを証言した。彼女にとって第三回目の証人尋問。

「彼らが私にしたことは、あんまりです」と泣きながら彼女は言った。「彼らは私の尊厳を奪ったのです。あいつ(容疑者ダニエル・スミス上等兵)が私をレイプしているあいだ、ほかの奴は私のことを笑っていたんです。私たちを見ながら…レイプ・ショーを生で見てるみたいに」。

容疑者についてどう思うか聞かれると、サンボアンガ市出身で22歳の彼女は、「殺してやりたい。もし許されるなら、奴らを殺すのは私です。彼らには尊敬の念というものが無いんです。ここにいる女性すべてを好きなようにできると思っているでしょう」。容疑者四人について「私はものすごく腹がたっています」。

尋問は30~40分ほどかかり、ニコルさんが泣き出したときには何度か休憩をはさみ、続けられた。彼女の人生に、家族や知人との関係に、レイプが何をもたらしたのか彼女は証言した。

「私は就職したいんです。でも、私がレイプの被害者だとわかったら、なんと言われるのか怖いんです」。彼女は事件以来サンボアンガ市に帰っていないが、その理由を「恥ずかしいから」と言った。「友達になんと言えばよいのかわからないし、どんな反応が返ってくるのかわかりません。もう知らない人とは一緒にいないようにしています。また、あんなことが起きたらと思うと怖くて」。

フィリピン海軍の民間人職員として働いていた母スサーナ(Susana)は、彼女の面倒をみるために仕事を止めなければならなかった。兄リックサン(Ricksan)は起訴のあと一ヶ月しごとを休み、もう一人の兄ライアン(Ryan)は彼女に付き添うため仕事を抜け出してくるようになった。事件当夜ニコルさんとスービックで休暇中だった姉(継姉)アナリサ・フランコは、サンボアンガ市で母が営む酒保を手伝うため、就職口を断った。アテネオ・ダバオ(Ateneo de Davao)大学の学生だった弟も、酒保を手伝うため退学した。ボーイフレンドに会うため米国に行くつもりで証明書など準備していたのも、取りやめにした。皮肉にも容疑者たちと同じ海兵隊員だった彼との関係も、彼女が裁判を起こすと決めたことで解消。

ビデオ・ディスク販売の営業をやめたため月々4万ペソの収入を失いもした。「母は家計のやり繰りに、今までの倍の働きが必要になりました。子どもたちが大学を出れば母の苦労も終わると思っていたのに、今は前よりたいへんです」と認めたが、ニコルさんはこう付け加えた。「この訴訟は私にとって重要なのです。なぜなら私の尊厳が掛かっているからです。私のすべてが掛かっているからです」。

不眠に苦しんだり、眠れても夢に出てくる事件にうなされて、起きればいつも目まいがする。彼女のセラピーを担当しているジューン・ロペス医師に、家族もセラピーを受けている。

11月1日のAll Saints’ Day(聖者を祭る伝統行事)の朝には戻っておいでと母が忠告したのに、それを気に留めずにいたことで罪悪感を抱いているのだと証言したときには、途中で何度も泣き出した。「彼女の言うとおりにしていれば、こんなことにならなかったんです」。

ニコルは金曜日も証言台にたち、こんどは反対尋問を受ける。この裁判は爆発する感情に遮られることが多いのだが、この日は市民運動のメンバーが容疑者たちを怒鳴りつけているのが見られた。


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日本の女性たちと労働組合がスービックレイプ原告を支援 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

カサナグの会会員の長橋さんが、アジア女性資料センター丹羽さんとともに、スービックレイプ事件裁判傍聴に参加し、被害者支援を表明しました。このことをインクワイアラー紙が伝えています。(アジア女性資料センター翻訳)
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日本の女性たちと労働組合がスービックレイプ原告を支援

日本の女性団体と日本労働組合の代表は、スービックレイプ事件裁判の7月18日(火)の公判の傍聴に参加し、原告となった被害者を支援すると通訳をとおしてインクワイアラー紙に話しました。

丹羽マサヨ(アジア女性資料センター)さんは、この事件で訴えられている4人のアメリカの兵士を訴追するために、その物理的支援、個人的、財政的な貢献をすることと同時に、フィリピンの女性組織のネットワークと共に世界の米軍基地に反対していくと語りました。

丹羽さんは、アジア女性資料センターがアメリカの軍事侵略に反対するだけではなく、同時に、彼女自身の国、日本軍の性的奴隷制度にも反対してきたと語りました。
彼女は、正義のためのフィリピンの「従軍慰安婦」を支援してきたと語りました。「従軍慰安婦」は、彼らが第二次世界大戦の間に占領した国で日本軍によって性的強制を受けた被害女性たちを伝える言葉です。

「戦争と暴力は荒れ狂い続けます、そして、軍隊化は現在、世界的規模で広がっています。全世界での平和を我々の目標とするために、私たち自身を世界化しなければなりません。我々は世界的な情報交換をする必要があり、そのためのネットワーク拡大をサポートします」と、彼女がインクワイアラー紙に与えたパンフレットにはあります。

「三多摩-フィリピン資料センター」代表・長橋美保さんは、「三多摩・カサナグの会」(バターン州労働組合連合などの労働組合と交流している団体)のグループが、スービック強姦事件に関心を払っていると語りました。「日本では、これまで米国軍人が日本女性を強姦した多くの例があります。まったく同じ問題です。そして協定のため彼らを投獄することは同様に非常に難しいです。」日米地位協定は、フィリピンの事件の場合では、米比軍事訪問協定(Visiting Forces Agreement)として存在していると語りました。

犯罪米兵の身柄を日本の法執行機関に渡すことが容易でなかったかどうか尋ねられて、長橋さんは言いました。「形式的には身柄は引き渡されたことはありました。米国軍人被告は、ジェスチャーだけとして逮捕され、しかし簡単に解放されます。米国政府は協定によって日本側に渡さず身柄拘束することも簡単にできます。」

長橋さんは、日本に帰ってからここフィリピンで知りえたことを広めること、またスービックレイプ対策チーム(Task Force Subic Rape)、被害者とその家族、弁護団と彼女のセラピスト後方支援者たちが、民事原告である被害者を支援し、また支援金寄付を手伝うことができるように、スービックレイプ事件を見守ると語りました。


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詰めかけた群衆の前でニコルさんが証言 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

スービックレイプ裁判で7月6日、被害者のニコルさんが証言した。
この裁判はいろんな意味でで注目されている。
興味本位の傍聴者も多いことをインクワイアラー紙が伝えている。
また、被害者ニコルさんへの「非難」も多いようで、被害者や支援する人たちを傷つけている。
以下はインクワイアラー紙の抜粋。
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2006年7月6日 インクワイアラー紙
今日、詰めかけた群衆の前でニコルさんが証言する。

マカティ市地裁139支所でスービック強姦事件の審理が行われるが、この画期的な裁判に突入して約6週間、フィリピン人原告として証言台に立つにあたり、「要人」も出席を希望しており、超満員になること間違いない。というのは、検察側の20番目の証人として、被害者「ニコル」さんが登場し、2005年11月1日、スービック湾フリーポートのクルージングバンで、米海兵隊員同僚の3人がはやしたてるなか、スミス海兵隊員によって強姦されたという、彼女にとって厳しい試練である容疑について詳説することが見込まれているからだ。

法廷従業員は、昨日インクワイアラー紙に、異常に多くの、また各方面の「要人」から、この審理が行われる市当局の古いセッションホール傍聴を「予約」を要求する電話があったことを伝えた。電話した「要人たち」とは、外務省の役人、比米訪問軍事協定の大統領委員会委員、および米国大使館員、他の地裁の裁判官、および「何人かの上院議員」を含むと。

ニコルさんの弁護士の一人であるエバリン・ウルスアによると、ブログ、インターネットチャットルーム、または家族での会話で、被害者を非難するのが当たり前になっているけれども、ニコルさんは、世論の「法廷」の評価は決して高くない。

被害者を支援しているフィリピン大学法学部学生ボランティアが調べたモニタリングによれば、ニコルさんはレイプ容疑のために「非難されてさえいる」。「意見は分かれていて、私たちが調べたかなりの数のブログではニコルさんは支援されるにふさわしくないと考えられている。なぜならば、彼女は事件のあったその夜酔っていたから、だからそうなったのだ、と。」ウルスア弁護士はインクワイアラー紙に語った。

ニコルさんを支援している法学部学生の何人かもまた、「自分はニコルさんを支援しているが、学生たちの家族と意見が合わないことと打ち明ける者もいる。」「その学生たちは、家族内での議論は非生産的になると思われるので、あえて議論はしていない」と。

これらの意見は、特にブログでは、22歳のニコルさんと同じぐらいの若いフィリピン人ブローガーが圧倒的であって、こういう事実によっていっそう不安にさせられるとウルスア弁護士は語った。
「私たちはこの「古典的な」犠牲者非難の合唱を解決するためにどのような努力できるのだろうか?」

「昔からのアメリカ兵の関係者は別にして、俗説や誤解など、人々の数々の条件反射的反応や先入観・偏見が前面に出てきた。レイプについてのお決まりの俗説と誤解が出てきたのだ」。

一つの俗説は次のようなものである。
レイプ容疑の後ですぐ近くにいた人が彼女を見つけたとき、使用されたコンドームがニコルさんのパンティに貼りついているのが発見されたとほのめかしながら、コンドームの使用しているのだったら、レイプとは関係ないんじゃないか、というもの。

別の俗説は、レイプ被害者が酔っ払っていたんだったら、たぶん彼女を「それを望んでいた」。なぜならば
「品行不良」だからだ。バージン女性だけがレイプを確実に訴えることができる。

「こうしたことは、レイプについて一般大衆を教育するにはまだまだ長い道のりがあることを意味している」とエバリン・ウルスア原告代理人は語った。

フィリピン大学学生を調査したとき、若いフィリピン女性たち、またはニコルさんと同じ世代の女性たちのうち、酒を飲むのは70%にものぼることが明らかになっており、このような考え方は何を暗示しているのだろうか?
と彼女は追加した。


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レイプ犯は「最高で無期懲役か死刑」 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

レイプ犯は「最高で無期懲役か死刑」

フィリピンではレイプ犯罪は、「最高で無期懲役か死刑」です。これは欧米でも同じ。
他方、これにくらべ日本ではレイプ犯きわめて軽い刑罰です。
2004年、小中学生4名を含む婦女暴行犯は16年の実刑判決でした。
1995年沖縄の少女暴行犯罪米兵には、7年と6年半の実刑判決でした。

現在、米兵4名によるフィリピン・スービックレイプ事件で裁判が始まっていますが、ゴンザレス・フィリピン司法長官は、容疑者4人のうち3人を「共同正犯」から「従犯」へ格下げを行いました。
フィリピン法では「レイプ主犯は、最高で無期懲役または死刑」、「従犯は最高20年の懲役」となるからです。アメリカ政府との関係を意識したフィリピン政府による裁判所への介入です。

後に、裁判所がこれを拒否しました。ゴンザレス司法長官は、この裁判長の過去の判例まであげて反政府的であると攻撃。これまで担当検事が2名辞任しています。
レイプ裁判ではこのような条件も絡んでいます。


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タスク・フォース・スービックレイプからの訴え [米兵によるレイプ事件、犯罪]

「タスク・フォース・スービックレイプからの訴え」が送られてきましたので転載します。
被害者に対する「誹謗・中傷」がマスコミ上で意図的に流され、レイプ被害告発に対する露骨な妨害がなされています。

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タスク・フォース・スービックレイプからの訴え
2006年7月4日
7月5日の米大使館前抗議行動で

すべての日本の反米軍基地団体の皆さんへ
cc ピースサイクル・フィリピン―日本・ネットワークの皆さんへ

拝啓

スービック・レイプ裁判は、すべて新聞紙上やラジオ・テレビ報道にさらされています。裁判の審理は厳しい二ヶ月目に入り、アメリカ軍人が関与した極悪犯罪を裁き、私たちが歴史をつくるその時であるどうかと問うことで、国家を揺るがしています。
しかし、この事件のすべてが興奮させるものばかりではありません。レイプ犠牲者・ニコルさんは、最後まで戦うと決意しているにもかかわらず、ほとんどの人々が傍観者の立場から眺めているため、彼女は小さくない困難に耐えてなくてはなりません。

告発者として、被告人・米兵の有罪を証明することは彼女の義務です。しかし被告人・米兵らは弁護士や米国家機関を利用し、ニコルさんが売春婦でないとすれば意地悪な安っぽい人間であると悪意のある「ほのめかし」を行い、際限なく事実をひっくりかえそうとしているのです。 明らかにこの一連の動きは、困難に立ち向かうニコルさんの士気をなえさせ、失敗においこみ、彼女に戦うことを思いとどまらせ、彼女の信頼を破壊し、支持者たちを追い払い、被告・米兵の利益にかなう判決となるように影響を与えようとしています。

被告人・米兵らが不平等なVFA(米比相互軍事訪問協定)の保護を受け、米国政府によって明らかに支持されているにもかかわらず、正義を求めるニコルさんの追及は、皮肉にも現在のフィリピン政権からの、すなわち司法省長官を通じた強烈な反対に合っているのです。

この共和国と呼ばれる年月に国家が何十年もの間立証してきた「権力間の保護」に比べ、誰もが持つ政権への当然の要求において最も重要な要因である「市民の保護」がまったく低い地位に置かれていることがまさに鮮明になりつつあります。すべてのこれらによって、ニコルさんの闘いは予想通り「うんざりしたもの」になっているだけでなく、また感情的な扱いになり、資金的にも疲弊させられるものになっています。

TFSR(タスク・フォース・スービック・レイプ)は、「ニコルさん正義、わが国家の正義」と称するキャンペーンで団結した16の組織の連合であり、犠牲者ニコルさんと彼女の闘いを支持し、女性のレイプに反対し、および/または国家主権侵害に反対するすべての人たちに呼びかけた組織です。このキャンペーンは主に、この性的暴行の具体的な事件についての議論を通じて、ここフィリピンと海外のより多くの人々に影響を及ぼそうとする広報活動です。このことによって私たちは、特に戦争に関連した過程で犯されるすべての性的虐待とレイプに対して、なしうる限りの最も強い憤慨を打ち立てることを目ざしています。

正当なニコルさんの権利と世論の闘いには、多くの出費を伴っています。できればあなたがたに、ニコルさんの正義のために、わが国家の正義のために寄付をお願いしたいのです。

敬具
コラソン・レキゾ
タスク・フォース・スービックレイプ - 事務局
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「タスク・フォース・スービックレイプ」の構成団体を下記に記します。フィリピンでは、民主団体が政治的理由によって分裂し、この分裂が悪影響を及ぼしていますが、この問題では、さまざまな団体が共同してキャンペーンを行っています。この点は非常に重要だとわたしたちは評価しています。
The TFSR is composed of the following organizations:
1. Akbayan women committee
2. Buklod
3. Coalition against trafficking on women
4. BMP women
5. Freedom from Debt Coalition
6. Pagkakaisa ng Kababaihan ( KAISA KA)
7. KAKAMMPI
8. Partido ng Manggagawa
9. Peoples Task Force for Bases Clean up- ABC
10. Sanlakas women
11. Sarilaya


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姉(妹)がわからなくなるほどニコルさんは酔っていた [米兵によるレイプ事件、犯罪]

6月23日付け、インクワイアラー紙記事からの抜粋です。
6月22日の公判の様子です。ニコルさんの姉フランコさんが証言しています。
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姉(妹)がわからなくなるほどニコルさんは酔っていた

スービック・レイプ事件の原告は、11月1日の夜、バー・ネプチューンから消えていなくなる前に、姉(妹)を見分けられないほど酔っぱらい、最後に踊った相手は主犯格の海兵隊上等兵ダニエル・スミスだった。
以下はニコル(Nicole)さんの姉(妹)アナリザ・フランコ(Annaliza Franco)さんが、検察側証人として金曜日におこなった証言の内容だ。証言時間は4時間あまり。
フランコさんもまた、海兵隊隊員とバーを出たニコルさんがかなり酔っていたこと、故に、スミス上等兵とのセックスに合意できるはずがないことを証言した。
11月1日の夜、彼女とニコルさんと友人で米海軍伍長(あるいは二等兵曹 US Navy Petty Officer 2)のクリストファー・ミルズはバーをはしごした後、クラブ・ネプチューンに行き、ミルズの友人のガルシアと数杯の酒を飲んだ。
フランコさんは、ミルズが注文した数杯の酒を飲んで彼女もニコルさんも酔ってしまったことを認めた。
ニコルさんは「ウオッカスプライト(Vodka Sprite)」、「B-52」、「Long Island iced tea」、カップ半分の「Singapore sling」、ピッチャーに半分の「Bull Frog」を飲んだ。
海岸パトロールと揉めているガルシアを助けにミルズ伍長が出て行ったあと、ニコルさんがアメリカ人と踊っているのをフランコさんは見ている。それはスミス上等兵だったと彼女は証言した。
その後、ニコルさんが当てもなく歩いているのを見て連れ出すことにした。
「私は彼女に、クリス・ミルズも行っちゃったし、私たちもホテルに帰ろうって言いました」。しかし、ニコルさんは彼女のことを見ただけだったとフランコさんは言った。
「ニコルさんが付いて来るだろうと思って海岸(Waterfront)に向かって歩いた。でも着いてみたら彼女はいなくなっていた」とフランコさんは言う。
海岸でミルズ伍長に会ったので、ニコルさんを捜すのを手伝ってくれと頼んだ。
彼女が見つからないのでミルズ伍長は、もうホテルに帰ったのだろうと言った。
11月2日の午前2時ごろ、ホテルの支配人から電話があり、ロビーに降りてくるように言われた。ロビーには、スービック市警の警官に付き添われた、ショック状態のニコルさんがいた。
ここまで言ったフランコさんが泣き出して休憩を願い出たので、ポソン(Pozon)裁判官は月曜日にやり直すことにした。訴追人ウルスア弁護士の尋問の続きが、まだ一時間は残っているとのこと。


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10分以上も続いた殴打、撲殺された米兵横須賀事件 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

米兵によって撲殺!横須賀・女性殺害事件

(殺害現場、横須賀市米ヶ浜通りの雑居ビル前)

今年の1月3日早朝、横須賀で米兵によって佐藤好重(よしえ)さん(56)が殺害され、6月2日横浜地裁で判決がありました。
横浜地裁・小倉正三裁判長は、強盗殺人罪に問われた米海軍横須賀基地の一等航空兵ウィリアム・リース被告(22)に対し、求刑通り無期懲役の判決を言い渡しました。

犯行現場である横須賀市米が浜通の雑居ビル入り口近くにあった監視カメラに犯行の様子が映し出されており、公判で証拠として上映されたそうです。ビデオによれば、佐藤さんは、顔や腹を殴打され、壁にたたきつけられ、何度も踏みつけられていました。小倉裁判長は「10分間もの間、声も出せなくなるまで暴行は続いており、冷酷非道」と述べました。文字通り「撲殺」でした。佐藤さんの弟、真田修一さんは「姉の顔は、弟の私でもわからないほどぐちゃぐちゃだった。」と話しました。

日本の「監視社会」態勢によってビデオに残りましたが、証拠品として警察が押収しています。権力側が占有し、公開されません。

米軍の態度は、これまでのほかの事件に比べ、日本政府、神奈川県警に「協力的」で、起訴前に犯人の身柄引渡しに応じました。被害者の通夜、葬式ともに、米軍から在日米海軍司令部ケリー司令官以下、100名あまりの米軍高官が参列し、謝罪の態度を示しました。
横須賀湾の放射能汚染問題などから、横須賀への原子力空母配備への批判が新たに高まっているなか、何とか早急にかつ穏便に事を済ませようとしています。

日本政府もまた穏便にすませようとしています。日本のマスメディアもこの問題をほとんど報じていません。そのため、日本国民のほとんどが事件のことを知りません。裁判はわずか2回の公判をしただけで、判決となりました。

このような事件が起きたにもかかわらず、蒲谷亮一・横須賀市長は横須賀基地への原子力空母の配備を容認しています。


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時効、米兵の保護についてのVFA条項は無効 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

フィリピンで起きたレイプ事件で裁判が行われていますが、VFA(比米軍事訪問協定)によって、米兵犯罪の時効や米政府による容疑者の保護が規定されていて、犯人摘発の直接の障害になっています。
VFA自体が、フィリピン憲法違反であるとして、レイプ事件を告発する人たちがフィリピン最高裁に「請願書」を提出しました。
米軍の存在がレイプ事件の原因であるとし、米国によるフィリピンへとの軍事体制そのものの批判の声が広がっています。
インクワイアラー紙記事の一部を抜粋します。
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原告告訴人は、時効、米兵の保護についてのVFA条項を無効とするように最高裁へ申請した。


(6月19日最高裁前で、最高裁へ請願書を提出)

レイプ事件で4人の米国軍人を告発したフィリピン人弁護士エバリン・ウルスアは、この月曜日(6月19日)、フィリピン最高裁判所に、事件の時効期限と米兵の保護期限に関するVFA(比米軍事訪問協定)が違憲であると宣言するよう請願する。
マカティ地裁139支所のベンジャミン・ポソン裁判官が、スービック強姦事件での「一年間の時効」は2005年12月27日から始まるべきであると判決した後に、エバリン・ウルスア弁護士は事件移送命令書のために請願書を提出した。
2005年12月27日とは、オロンガポ地裁73支所でのレナート・ディラグ裁判官による裁判が始められた日である。
ポソン裁判官は裁定において、規定の期間(時効の開始)は「裁判が始められた」その瞬間から始まったと言明した。
ウルスア弁護士は、告訴人として最高裁に、米海兵隊ダニエル・スミス上等兵、キース・シルクウッド、ドミニク・デュプランティス、およびチャド・カーペンティア2等軍曹に対して召喚状を申請すると言明した。
スービック自由港でレイプ犯として告発されて以来、四名の米兵容疑者らは米国大使館の保護下にいる。

VFAの規定とは?
2005年11月1日に、米大使館は、フィリピン軍との合同軍事演習に参加した分遣地隊のメンバーとして、四名の米兵の保護を正当化するに当たり、大使館担当官はVFAを引き合いに出した。
VFAは、アメリカとフィリピンの間で軍事演習実施を認める二国間協定である。
米兵犯罪の時効と米兵保護の問題は、VFA第5条6節に含まれている。それによれば、「フィリピンが司法権を行使する上で、あらゆる米国人員を保護する権利は、米国軍当局が要求するならば、犯罪遂行からすべての訴訟手続の完了まで、米国軍当局に直ちに存在することとする」。
条項によれば、「米軍当局は、フィリピン当局による遅れのない正式な通知において、人員が告発されている不法行為と関連しているすべての調査のまたは訴訟手続に間に合うように、そのような人員が当局を利用可能にすることとする。」
条項によれば、「異常な場合においては、フィリピン政府は、米国政府が十分に考慮すべき保護措置に対して、米国政府にその態度を示すことができる」。
「フィリピン訴訟手続が一年以内に完了されない場合には、米国はこの条項に従いどのような義務をも免じられることとする。一年の時効は、上告に必要な時間を含まない。」
「また、一年の時効には、フィリピン当局による適時の通知があった後は、被告人の出席のための手配において、米国当局による予定された審理手続きの遅れは間違いがあったとしても含まれない。」


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スービック・レイプ事件、VFAは違憲だ! [米兵によるレイプ事件、犯罪]

フィリピンの支援団体からからレイプ事件裁判の報告が来たので転載する。
レイプ事件告発は、米軍とのVFA(軍事訪問協定)によって時効が一年とされており、裁判闘争と並行して最高裁に、VFAを違憲として「請願書」を提出した。
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親愛なる皆さん。
こんにちは!

(最高裁へ請願書を提出した後、記者会見するエベリン・ウルスア弁護士=レイプ事件の原告告訴人)

ここに、今日(2006年6月19日)最高裁判所の前での写真を送る。

米国とのVFA(軍事訪問協定)によって、米兵犯罪が一年で時効となり原告(レイプ被害者)の権利を侵害していること、および被告人(米兵)すべてが米国政府によて保護されていることに示されるように、VFA、特にその第5条6節は、フィリピン憲法を侵害しているとして最高裁から下級裁判所へ令状としての移送命令書のために、私たちは最高裁へ請願書を提出した。
VFAはフィリピン憲法に違反する。なぜならば、 フィリピン政府がVFAを締結したことが、法治において最高裁判所の唯一持つ独占的な機能を放棄するからである。

今日(6月19日)もまた法廷でこの件でのヒアリングがあった。証人はスービックの捜査官である。
明日(6月20日)も法廷でのヒアリングがある。裁判官が、水曜日は休廷するとしたので、ヒアリングは水曜日を除く月曜日から金曜日ある。私たちは明日再びヒアリングに出席する。

あなたがたの活動についての最新の情報を送って欲しい。あらためてあなた方の支援に感謝する。今日の活動を写した写真を送る。今日はこれだけ。
団結して。


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スミス上等兵はニコルさんの名さえ知らなかった [米兵によるレイプ事件、犯罪]

スービック・レイプ事件の公判の様子をインクワイアラー紙が伝えています。
以下はその抜粋です。

米海兵隊員スミス上等兵は、「レイプではない。合意の上でのセックスだ。」と主張していますが、被害女性の名前さえ知らなかったことが裁判での証言で明らかになりました。
また、米政府は被疑者を尋問した米海軍犯罪調査局・職員の裁判での証人出廷を、外交官特権に従い拒否していましたが、批判の高まりから出廷に応じる態度に変更してきました。

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被告人スミス上等兵はニコルさんの名さえ知らなかった!
米国は、職員がスービックレイプ事件裁判で証言することを認めた。


スミス上等兵は女性の名前さえ知らなかった!
米海兵隊・上等兵ダニエル・スミスは、現在レイプ罪でフィリピン人女性に告訴されているが、この女性をスービックの大衆バーの外へ連れ出す際、彼の上官の許可を取っていた。
その証言を、昨日(6月14日)マカティ地裁でパパジョージなる人物が行った。パパジョージ氏は、出廷を要請された米海軍犯罪調査局(NCIS)の4人の職員のうちの一人であり、当初外交官特権を根拠にマカティ地方裁判所への出廷を米国大使館から止められていた人物である。
パパジョージ氏は、レイプ容疑のあった2005年11月1日夜の約24時間後にスミスにインタビューした人物でもある。
証言で明らかになったのは、スミスが女性の名前さえ知らなかったことだ。
スミスは女性と「合意の上でのセックス」したと主張しているにもかかわらず、パパジョージ氏に
彼女を「アジア人女性」とだけしか言わなかった。
パパジョージ氏は法廷で次のように証言した。スミスは、上官の了解の下、現在共に起訴されたスタッフの軍曹チャド・カーペンティアとともに、酔っ払った女性をバー・ネプチューンの外に連れ出し、カーペンティアや他の二人の海兵隊員がはやし立てるなか、レイプ容疑のかかったそのバンのなかに連れ込んだ。

完全な方向転換
米国政府は、米海軍犯罪調査局員がレイプ裁判で証言することを認めた。
昨日(6月14日)出された声明の中で、「正義が公正で公平な裁判において実現されると見なされるならば、米国の政府は、レイプの罪で告発された4人のアメリカ海兵隊員裁判において、数人の米国公務員の証言を認めることに合意する」と米国大使館は述べた。
声明によると、米国政府は「この裁判で証言するという限定された目的のために」マニラ米国大使館に配置された2人の米海軍犯罪調査局職員の外交官特権を放棄した。
調査に参加した2人以外の他の米海軍犯罪調査局職員は、フィリピンに戻るように要請されるであろうと大使館は言明した。
「この決定は、フィリピン外務省との議論、そして法廷証言をウィーン会議によってカバーされた証人からの裁判証言を要求する適切な過程についての議決によって、なされた。」

7番目の証人
7番目の検察側の証人として米海軍犯罪調査局・特別捜査官パパジョージ氏は、彼が2005年11月2日の午前2時から午前5時の間、埠頭にいた船、USSエセックス船上でこの2人の海兵隊員、スミスとカーペンティア軍曹を尋問した時、彼ら二人はこれらの行為を「認めた」と証言した。
パパジョージ氏は、この事件に関して彼が編集した4巻にもおよぶ実情調査報告について証言するために呼ばれた。報告書には、行われたパパジョージ氏や他の捜査官による、容疑者と数人の目撃証人の尋問が米海軍犯罪調査局職員よって編集されている。
この報告書は、「ニコルさん」として知られている原告とのインタビューを含んでいない。
直接尋問で、パパジョージ氏は、主任検察官エミリー・フェ・デロス・サントスによって読みあげられ印をつけられた一節を、主に確認した。
この一節では次のように述べられている。スミス被告は、「原告(被害者)が被告人スミスと一緒にスターレックス・バンの中にいたと認めていて、仲間が囃し立てているなか、彼はバンの中でこの”アジア女性”と合意の上のセックスをした」。
デロス・サントス検察官によって、報告の中でそのように判断する根拠は何かと聞かれて、パパジョージ氏は、「私がスミスに尋問し、彼がアジア女性と性行為を持ったと言った。しかしスミスは彼女の名前を知らなかった。」と証言した。

5杯のビール
他方、起訴された一人であるカーペンティア軍曹のこと。バー・ネプチューンの外に連れ出したのが「スミスであるとカーペンティアは認めた。」と、報告に書かれているとパパジョージは証言した。
バー・ネプチューンは、ニコルさんと起訴された4人の海兵隊員が初めて会い、彼女をバンに連れ込んだ場所である。
スミス上等兵は「名前も知らない、酔っているようであったアジア人の女性」と会ったその夜、「5杯のビール」を飲んでいたと、付け加えた。
マカティ地裁139支所で、ヒアリングで再び出席しているニコルさんは、パパジョージ氏が証言する間ほとんどの、手で顔を覆い、涙をぬぐっていた。
米海軍犯罪調査局・駐在職員 ロナルド・ベルツ氏、彼はパパジョージ氏の上官で、6月5日の裁判審問で証言を始めたのだが、それ以前は米大使館がベルツ氏及び他の三人の同僚の証言を押しとどめていた人物である。その彼が昨日(6月14日)、裁判所に姿を現した。
反対尋問において、パパジョージ氏はスミス上等兵の弁護団ベンジャミン・フォルモソの前で、その伍長は、仕上げられた報告書の中で彼のせいとされるどのような声明にも、決してサインさせられなかったことを認めた。
今回、エセックス船でのパパジョージ氏によるスミス上等兵インタビュー時の手書き「メモ」、それは米海軍犯罪調査局職員が報告書の添付書類として裁判所に提出した書類であるが、これに関して、スミス上等兵の弁護士フォルモソは、以下のような記述に、ベンジャミン・ポソン裁判官の注意を引き付けていた。
「彼女は私(スミス)が好きであった」そして「二人が別れる前の30から40分の間、話したしダンスもした。」「私たち二人はバンの後ろに座った。いろんなことがあって、私たちはセックスに至った。」「彼女は自発的なパートナーだった。」

バンの運転手の供述
カーペンティア軍曹の弁護士フランシスコ・ロドリゴは、パパジョージ氏に、米海軍犯罪調査局によるフィリピン人運転手ティモテオ・ソリアーノへの尋問に基づく報告書からの一節を確認した。このソリアーノ運転手は当初、検察官によって共犯者とみなされていた。
報告書を読んで、ロドリゴ弁護士は、「彼らは下品なダンスをし、腰を絡めていた。ニコルさんは、股をスミスの足に、尻をスミスの股にこすりつけていた。」「これは彼らがセックスをシミュレーションしていたかのように、ソリアーノには見えた。」とつけ加えた。
バー・ネプチューンの通路では、よく見かけられる場面である。
米兵の弁護士は、ソリアーノ運転手がバンを運転している間、バーの別の通路で「女性客が‘やっちゃった’と言うのを聞いた。」ことを強調しようとした。
デロス・ サントス検察官は、原告ニコルさんについての「人物証言」が「取るに足らない」と主張して、パパジョージ氏とロドリゴ弁護士のやり方を短くしようとした。
ロドリゴ弁護士は、法廷の規則を引きあいに出し、そのような証言を提出することで「容疑がありそうであるかないかを証明する」ことができたと反論した。
ポソン裁判官はロドリゴ弁護士を支持し、被告側弁護士は「人物を追うだけではなく、原告であるニコルさんがその時にしたと伝えられることを追跡するべきである。法廷はこれを認める。」と言いながら、ロドリゴに続けさせた。

応諾
米海軍犯罪調査局・捜査官であるパパジョージ氏、ベルツ氏、トニー・ラモス氏、ブライアン・カーリー氏の4名に対して法廷から出された5月30日付けの召喚状に従う米国大使館の決定を受けて、パパジョージ氏は証人台に立った。
ポソン裁判官は米国大使館と米国軍幹部に、6月7日の公判の間、法廷からの召喚状にもかかわらず、4人の米海軍犯罪調査局職員に「出廷不履行」させたことを弁明するように命じた。
6月8日に予定された公判で証言する義務を果たすために、4人の職員が出席すべきであるという通告を、ポソン裁判官は同じように「繰り返した」。
昨日(6月14日)の供述の中で、米国大使館は、米海軍犯罪調査局がオロンガポ市検察官と被告側弁護士に、「2005年11月から始まっているその予備的な報告書の完全なもの」を提供したと伝えていた。
「米国政府はこの疑わしい出来事の調査において”VFA=米比訪問軍事協定”の指針の下で、フィリピン当局とともに働き、訴訟手続の最後に至るまで協力を続けるであろう」と大使館は言明した。
「米国は、正義が報いられるように見守り続け、正しい成果がもたらされる公正で公平なプロセスを見守り続ける」と付け加えた。

裁判の目的
フィリピン外務省スポークスマン、ジルベルト・アスクエ氏は、判決によって「この事件が解決に導かれ、正義が早く実現することを希望する」という米国大使館の声明に賛同する見解を示した。
「それがこの裁判の目的であり、裁判官はその役目を果たすであろう。」「外交官特権の放棄のみならず法律の施行は派遣先国の大権である」とアスクエ氏は追加した。
「フィリピン外務省は、受入国の代表者として、ウィーン会議に従い、担当官や職員の誰であっても免責されるべきであるという大使館の要求に基づいて、当然与えられるべき承認を与えるであろう」。「外務省儀典に基づいて、ベルツ氏だけが完全な外交官特権を持ち、他の職員は職務上の免責を持っている、他の2人の米海軍犯罪調査局職員は、米国政府の外交のリストの上にいないこと、そしてこのリストは派遣国によって、この場合は米国であるが定期的に更新される」とアスクエ氏は言明した。
誰が職務上の免責権を持つ米海軍犯罪調査局職員であったかを尋ねられて、「今日(6月14日)に証言するのは誰でもそうである。」とアスクエ氏は答えた。
その職員はパパジョージ氏であった。


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“ニコルさんは4人の影武者を含め三重に囲まれて保護されている” [米兵によるレイプ事件、犯罪]

“ニコルさんは4人の影武者を含め三重に囲まれて保護されている”
6月15日のインクワイアラー紙の記事から
4名のアメリカ海兵隊員をレイプの罪で告発したニコルさんが法廷に入って行くと、いつもメディアカメラがぎらぎらする光を浴びせ追跡する。その時「女たちは塊」となってニコルさんを守る。

「ニコルさんのために公正のためにキャンペーンをしている女性のグループのマルチセクター別の連合」、すなわちTFSR(タスク・フォース・スービック・レイプ)に集まった女たちは、ニコルさんが公けの場に登場するときは、マスメディアに対し「非常線」を張って、いつも誠実な友人として彼女を守っている。
「ニコルさんの保護は、彼女に肉体的、心理的な保護、情緒的安定のためです。」「こういった女たちの行動によって、ニコルさんは肉体的に囲まれて守られているだけでなく、ジェンダー正義の精神によっても包まれていると感じているはずです。」とTFSRメンバーであるユン・アバーナは言った。
三重の保護は、ニコルさんの22歳という年齢、身長、体型を持った14人の女たちで構成されている、14人はTFSRメンバーである学生のなかから選ばれたと、ロロット・レキゾが説明した。ロロット・レキゾも、6月2日のマカティ地域予審法廷にニコルさんが最初に登場して以来ずっと一緒にいるTFSRのメンバーの一人である。
「私たちがニコルさんに名乗りを上げるよう言った時、彼女が助けを求めた。」とレキゾは付け加えた。
「私たちは法廷という公の場に初めて登場する二日前に、どうすべきか話し合い、ニコルさんの保護を検討した。ニコルさん自身が特定されないことを望んだので、彼女の周りに「女たちの塊」をつくろうと決めた。」

報道陣から隠れる!
サポートグループによると、ニコルさんが公然とマスコミの前に現れることは、彼女に無用なストレスとトラウマを与えるので、マスコミから守ることは必要である、という。
「彼女が隠れているのは他でもない、マスコミからだ」とカウンセラー医、フィリピン総合病院のジューン・パガヂュアン・ロペス医師は言った。
「まず第一に、私たちは、彼女のプライバシーの権利を尊重し、その権利を保護する必要がある。彼女は暴行を受けて、心に傷を負っている。その上、プライバシーが奪われればより苦しみを受けることになり、長期間にわたる心理的トラウマを与えることになる。特に、犠牲者を犠牲者としてみることに慣れていない社会、また被害女性の性格や容貌によって判断する傾向のある社会においては、被害女性を傷つけてしまうことになる。」
ロペス医師は「支援者たちの存在がニコルさんを少しずつ強くしているし、彼女自身が強くなろうと努力している」とニコルさんの状態を説明した。
「私たちは、そのうちニコルさんが、プレスの前に堂々と姿を現すことができるようになるのを望んでいる」とロペスは付け加えた。
「しかし、現在、私たちは、犠牲者に着せられた汚名を晴らさなければならない。彼女はまだ若いし、将来どうするのかも考えなくてはならない。」

影武者
ニコルさんに最も近い一重目の保護者は、4人の良く似た女性から成っている。ニコルさんが、攻撃的なメディアに立ち向かう必要がある時はいつでも「おとり」として役立っている。
影武者たちは、体型、顔つき、身長、髪の色なども含めて、原告人によく似ている人が選ばれていると、レキゾは話した。
女たちの保護のなかからニコルを見つけ出そうとする人々を混乱させるために、影武者たちはスカーフ、ジャケット、サングラスをつけている、すべての細かいところを各人それぞれが本人と見まがうように慎重に仕立てている。「女たちが工夫した助けに支えられて、ニコルさんは安心している」とアバーナが言った。

最も外側の保護者たち
「二重目の保護者たちは5人で、彼女が法廷に出入りする時に、ニコルさんの行動を監督するためにいっしょに働いている。この保護者たちはどこに移動するかについて指示を出す」。また「最も外側の保護者たちも5人からなり、予想されるメディアの攻撃から真ん中にいる人たちを守るために特に体重が重い体型の人が選ばれている」とレキゾが説明した。


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